2020年春種特集号WEB版 品種ピックアップ

早枯れタイプで雑草抑制に最適! 「おたすけムギ」でリビングマルチのすすめ 大麦(緑肥用)「おたすけムギ」

タキイ 緑化飼料課

早枯れタイプで雑草抑制に最適! 「おたすけムギ」

2020/02/20掲載
雑草を抑える方法にもさまざまありますが、マルチングも一つの方法です。中でも注目は環境にやさしいリビングマルチ。今回はリビングマルチに好適な大麦(緑肥用)「おたすけムギ」をご紹介します。

リビングマルチとは?

菜園の通路などに、植物を使って地表を覆うことをいいます。雑草抑制、土壌流出の防止などを目的としたマルチングの方法で、作業の省力化、環境対策としても注目されています。
このリビングマルチに最適なのが「おたすけムギ」です。

暑さに弱い大麦の性質を利用し、本来は秋にまく大麦をあえて春〜初夏にまけば、大麦は素早く地表を覆い(写真1)、その後、暑さによって地表面を覆うように枯れていきます(写真2)。隣接する作物の生育を邪魔せずに雑草抑制や地温抑制、排水性の向上、土壌流出防止などに役立つという訳です。

さらに枯れた後も、敷きわらのようになった枯草をすき込めば緑肥としても役立ち、土壌改良にもつながります。リビングマルチ一つでいくつもの効果が期待できます(図参照)。

枯れ草は敷きわらの代わりにも
写真1は4月26日播種、6月1日に撮影した「おたすけムギ」です。踏まれればさらにマルチ化が進みます。
写真2は8月8日に撮影、枯れた後は敷きわらの代わりにもなり、さらにすき込めば土壌改良にもつながります。
リビングマルチの効果

「おたすけムギ」がリビングマルチに適する理由

「おたすけムギ」は春まき専用品種です。発芽・初期生育が早く、早期に地表を被覆します。
枯れ上がりが早いため、主作物と競合しにくいという特性を持っています。また自然に枯死し片づけの手間もいりません。
ただし、秋まきをすると上へすくすくと伸びていくので、リビングマルチ効果を発揮できません。また、夏に枯れきらない場合は、気温低下にともない横へ広がらず草丈が高くなることで、主作物と競合する心配がありますので、除草剤などで完全に枯らしてしまうことが必要です。

リビングマルチの特性を利用すればスイカなどのツルの固定や青果への泥はね防止など、アイデア次第でさまざまなことが可能になります
ポリマルチと違い、リビングマルチは使用後にゴミとして廃棄する必要もなく、すき込むことで地力維持にもつながります。

「おたすけムギ」で自然にやさしいリビングマルチをぜひお試しください!

「おたすけムギ」栽培メモ

おたすけムギ

播種期

中間・暖地:4〜6月中旬 冷涼地:5〜6月

  • ※極端な早まきは出穂の可能性があるため注意が必要です。
  • ※6月以降の遅まきや冷涼地では気象条件により枯れ上がらない場合があります。

播種量

間作:4〜6kg/10a 遊休農地:10〜15kg/10a

期待できる効果

雑草抑制、土壌流出防止、地温抑制、
乾燥防止(水分保持)、土壌改良 ほか