Web連載
2023/2/20掲載
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2023/2/20掲載
野菜が一般的な商品と大きく違う点は、同じ野菜でも生産者・品種・収穫のタイミングなどによって、全く別のものになるということです。見た目や名前だけでは、価値がわからないのです。
そうかといって、売り場にいらっしゃるすべてのお客様に、販売員が野菜の魅力を伝えることはできません。そこで重要なのが、販売員や農家に代わって魅力を伝えてくれるPOP。手塩にかけて育てた野菜の、見た目だけではわからない魅力を伝える、大事なツールです。
野菜の価値・魅力は見た目だけではわからないため、説明がなければ差別化は難しいもの。魅力を伝える営業パーソンとして、POPが不可欠です。
また、食べ方まで紹介することは、おいしく食べてリピートしてもらうためにも大事。野菜を売るということは、おいしく食べてもらうことがゴールなのです。
さらにマルシェなどでは、POPを見ること自体が、楽しい買い物体験に欠かせない要素です。
このようにPOPは、野菜の魅力やおいしい食べ方を伝え、楽しさを演出するという重要な役割をもちます。
POPが大事なのはわかるけれど、作るのはなかなか大変…と思う人もいるのでは。基本的な情報を6つに分けてみたので、ぜひPOP作りのヒントにしてください。
キレイじゃなくても、オシャレじゃなくても大丈夫。伝えたいことがあれば、とにかく書いてみることが大事です!
種苗メーカーはどんどん新しい品種を研究開発し、販売していますが、そのことを多くの人が知っているわけではありません。消費者に対してアピールしたい特長、例えばやわらかい、肉厚、甘い、香りが強い、栄養価が高いなど…品種の一般的な情報をまとめれば比較的書きやすいはず。食味は、自分が感じたとおりにそのまま書いてみましょう。
マルシェや直売で購入する醍醐味は、農家の考えや想いにふれられること。普段から大事にしていることを書いてみましょう。無理に誇張する必要はなく、あるがままに書けばよいのです。
普段どおりの食べ方をそのまま書けばOK。複雑なレシピは求められていません。「簡単・手軽でおいしい!」という食べ方を紹介してください。ゆでる・炒める・煮るなど、調理の方向性だけでもわかると、お客様も手に取りやすくなります。
種類がたくさんある場合、POP例のように品種名とそれぞれの特徴を一覧にすれば、商品を比較することができます。特に果物は単価が高いうえ、好みも別れやすいので、POPがあるとお客様が商品を選びやすくなるでしょう。
常時スーパーに並んでいないような珍しい野菜は、お客様の目を引きますが、味や調理方法がわからないと、なかなか手に取ってもらえません。簡単でよいので、その野菜の楽しみ方を紹介するPOPを付けると親切ですね。
正直、書くことないなぁ…というときの奥の手は、栄養価や歴史を調べてPOPに書いてみましょう。意外と知らないマメ知識は、お客様が商品に興味をもつきっかけになります。
最近は、直売所が増えていることもあり、種苗メーカー各社はPOPをネット上でダウンロードできるようにしています。品種開発したメーカーが作っているので活用しない手はありません。ぜひ、各社のホームページをチェックしてみてください。
東京都日野市で、施設栽培のトマトをメインに、旬の露地野菜も栽培。畑の前にある野菜の自動販売機には、トマトを中心に新鮮な旬の野菜が並びます。自動販売機の隣には、カワイイ掲示板を設置して、畑の状況やおすすめの野菜、食べ方を紹介。周辺住民を中心に、多くのお客様で賑わっています。
2024年
秋種特集号 vol.58
2024年
春種特集号 vol.57