タキイ研究農場 馬場 彰 (ばば あきら)
2018/07/20掲載
タマネギは多くの機能性成分を含み、すぐれた健康増進効果があることが知られています。中でもケルセチンには、生活習慣病の予防効果があり、その量は野菜の中でも群を抜いています。「ケルたま」は、タキイの機能性野菜ファイトリッチシリーズの一つで、ケルセチンを多く含む健康タマネギです。さらに、貯蔵性が極めて高いため、長期にわたって食卓で楽しめる品種です。
「ケルたま」の特性をいかすためには、次の3つのポイントに気を付けて、基本に忠実な栽培を行うことが大切です。
「ターボ」などの中生種と同様の9月中下旬に播種、11月中下旬に定植を行い(中間地標準)、スムーズに活着させます。遅植えになると活着が悪くなり、生育不良や肥大不足になる場合があるので気をつけて下さい。
栽培に必要な施肥量は、10m2当たりチッソ成分で約200〜250gです。元肥は全チッソ量の約半分を投入し、残りを追肥として施用します。追肥は1月から3回に分けて行い、止め肥は3月中旬頃とします。多肥や止め肥の遅れは熟期が遅れるだけでなく、玉じまりが悪くなり、食味や貯蔵性も悪くなるので注意が必要です。
高い貯蔵性をいかすため、おおよそ倒伏そろいの約一週間後、球が充実してから収穫します。早どりは肩落ちや貯蔵性の低下を招き、遅どりは品質の低下の原因となるので注意してください。
湿気の多い状態で収穫すると、貯蔵中の腐敗が増加しやすくなるため、収穫時に地干しや風乾等を十分おこない、速やかに乾燥させることが重要です。収穫後は雨や直射日光のあたらない、風通しのよい場所で貯蔵しましょう。
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