作りやすくおいしい 黄芯品種の礎! 「黄ごころ」シリーズとタキイの黄芯系ハクサイ

2018/07/20掲載

早生〜中晩生の「黄ごころ」の誕生により全国各地で黄芯系の栽培が可能に

1998年に秋冬どりの「黄ごころ65」「黄ごころ75」「黄ごころ80」、2001年には中晩生の「黄ごころ90」が登場

「黄ごころ」の登場により、中間地の年内どり、暖地の冬どり栽培を行う西日本の産地を中心に黄芯系の高品質安定生産が実現しました。

タキイではその2年後の1998年には秋冬どりの黄ごころシリーズとして「黄ごころ65」「黄ごころ75」「黄ごころ80」を発表(これまでの「黄ごころ」は「黄ごころ85」に改称)。さらにその2年後の2001年には「黄ごころ85」の後に出荷できる冬どりの中晩生種として「黄ごころ90」を発表しました。

これにより全国の産地へ「黄ごころ」シリーズが普及していきました。

「黄ごころ65」「75」「80」が発表された当時の野菜ポスター。
「黄ごころ65」「75」「80」が発表された当時の野菜ポスター。

●「黄ごころ65」

生理障害の発生が少なく品質良好な黄芯早生種

早生ハクサイの栽培では、病気や生理障害が発生しやすく、栽培が安定しにくいものです。「黄ごころ65」は根こぶ病、ウイルス病、軟腐病などに強く、石灰欠乏症やゴマ症などの生理障害の発生も少ないうえ、草勢旺盛で栽培しやすく、播種後65〜67日ぐらいから収穫できる早生種です。

黄ごころ65

●「黄ごころ75」

生理障害の発生が少なく在圃性にすぐれた年内どり黄芯中早生種

生理障害の発生が少なくて栽培しやすく、播種後75日ぐらいで収穫できる年内どりの黄芯系中早生種です。過熱になりにくく球内色の黄色味の退色も少ないうえ、外葉が丈夫で耐寒性も強いため、畑に長く置いておけるので、その分収穫期間も長くなります。

黄ごころ75

●「黄ごころ80」

生理障害の発生が少なく肥大性のよい黄芯中早生種

冬どりハクサイは育苗時ではまだまだ暑く、収穫時期はかなり寒くなるなど、生育期間が長く、気象条件は大きく変化します。「黄ごころ80」は根こぶ病、軟腐病、ウイルス病などに強く、草勢旺盛で栽培が容易。しかも、石灰欠乏症などの生理障害の発生が極めて少ないのが特長です。特に、肥沃な火山灰土壌地帯である関東地方の年内〜冬どりに適した中生種です。

黄ごころ80

●「黄ごころ90」

生理障害の発生が少ない耐寒・晩抽性の冬どり中晩生種

播種後90日で、2.5kg程度に太り、「黄ごころ80」「黄ごころ85」に続いて収穫期を迎える、冬どり中晩生種。球色は濃緑で、寒さによる玉の傷みや色あせも少ないうえ、球内色も、「黄ごころ」の中で最も黄色みが強く、玉の外観・球内色が美しいため、市場評価は上々です。

黄ごころ90

品質や収量性を高めながら、黄芯系の弱点とされた耐病性・耐生理障害を重点に育成された「黄ごころ」シリーズ。一般地の秋の早どりから暖地の早春どりまで幅広く栽培され、関東をはじめとする全国の産地へと広がっていきました。

「黄ごころ」シリーズのラインアップが増えたことで、関東をはじめとする全国の産地で「黄ごころ」が栽培されるようになった。写真は「黄ごころ65」収穫の様子(撮影:1997年10月、茨城県八千代町)。
「黄ごころ」シリーズのラインアップが増えたことで、関東をはじめとする全国の産地で「黄ごころ」が栽培されるようになった。写真は「黄ごころ65」収穫の様子(撮影:1997年10月、茨城県八千代町)。
「黄ごころ85」に続いて収穫できる冬どり中晩生種「黄ごころ90」の登場で、暖地での冬どりが可能となった(撮影:2001年2月、和歌山県)。
「黄ごころ85」に続いて収穫できる冬どり中晩生種「黄ごころ90」の登場で、暖地での冬どりが可能となった(撮影:2001年2月、和歌山県)。
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