世界で初めての輝き 新しいタキイの葉牡丹「プラチナケール」誕生の軌跡

2019/07/22掲載

第三章 さらに充実する「プラチナケール」のラインアップ

<2012年>世界が認めた矮性プラチナケール「F1グロッシー レッド」

「プラチナケール」の人気は切花アレンジメントのシーンのみならず、ポット植え花材としても広がっていきました。続いて2012年には、F1初の矮性照葉品種「グロッシー レッド」を発表。「グロッシー」とは、英語の“光沢のある(glossy)”という意味の単語に由来しています。
「グロッシー レッド」は光沢のある鮮やかな緑の外葉に中心の濃紅色のコントラストがよく映えます。葉の形状は、ちりめん葉と切葉の中間程度の縮み葉です。寄せ植え用のポット栽培に向きますが、大株で作っても照葉がより鮮明になり一品種でも存在感が増します。

待望の花壇用紅色種として登場した「グロッシー レッド」は、この鮮烈な葉色が特に評価され、2011年に世界的な新品種コンテストAAS(All America Selections:オールアメリカセレクションズ)において葉牡丹では世界初の入賞を果たし、「プラチナケール」は世界中に知られるところとなりました。

お正月やクリスマスアレンジに、冬の花壇にと大活躍の「グロッシーレッド」。

<2017年>葉形、色に幅がある「クリスタル」で花壇用花材としての可能性が広がる

さらに2017年には「クリスタル」シリーズとして、矮性のF1混合シリーズを発表。
まるで宝石を散りばめたようなに美しい「クリスタル」シリーズは、光沢のある多彩な葉の色調と葉形にバリエーションがあり、なおかつ株型(草丈や株径)のそろいがよい品種です。新たな冬の花壇素材としての需要を見込んで発表されました。

「クリスタル ローズアメジスト」(左)、「クリスタル ピンクパール」(右)を使った寄せ植え。

「クリスタル ローズアメジスト」

葉形はウェーブの強い大阪丸葉系から葉縁が切れ込む縮み葉まで、葉色も着色部が濃紅色〜明紅色、外葉色は暗緑色〜黒褐色。

「クリスタル ピンクパール」

葉形は丸葉から切れ込みの浅い切葉まで幅があります。葉色は、着色部が淡紅色から桃色がかる白地に中心桃色のバイカラー、外葉は濃緑〜緑色。

※「クリスタル」の種子販売はございません。タキイオリジナルポット苗での販売となります。(編集部)

冬季の間、鮮やかな葉色を楽しむことができ、クリスマスからお正月のアレンジとして長く楽しむことができる「クリスタル」は、園芸ビギナーにも管理がしやすいポット苗商材として、寄せ植えや花壇で幅広く使われ、葉牡丹の新たな需要を生み出すことに成功しています。

草津市立水生植物公園みずの森(滋賀県)での植栽。スタンドに、ハンギングにと、冬の花材の少ない時期にあでやかな葉色で景色を彩る。

葉牡丹にはまだほとんど使われたことのない幅広い育種素材が残されています。今後もタキイでは「お正月の飾り」という固定観念を打ち破り、世界に向けた品種を発表し続けます。

照葉ハボタンの育成方法に関する特許を取得

タキイ種苗は、葉面にワックス成分が実質的に分泌、付着されず葉面に光沢を持つハボタン品種の育成方法に関する特許を取得しております。
(特許第4256687号 発明の名称【新奇なハボタン品種の育成方法】)