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野菜栽培マニュアル
スイートコーン
■菜園向けスイートコーン栽培カレンダー
発芽
- ■発芽適温
- 20〜28℃ (積算温度160〜180℃必要 地温20℃で9日程度)
- ■播種可能最低地温
- 14℃ (これ以下では発芽しない)
現在、スーパースイート系が栽培の中心になっており、子実中の糖含量がスイート系より高くなっています。
その反面、子実中のデンプン含有量が少なく種子のシワが多くなり、発芽勢が低くなる傾向があります。
播種(直播)
播種の目安は、最低地温が14℃以上になったころです。
一般地のマルチ栽培では4月中旬ごろ、トンネル栽培では3月中旬ごろになります。
マルチは生育初期の地温を高め、水分と肥料分を保持する働きがあるのでぜひ利用しましょう。
欠株を防ぐため1穴に3〜4粒播種し、本葉3〜4枚の時に最も生育のよい1本を残して、そのほかの株を根元からハサミで切り取ります。
1列よりは、2列に植えるほうが花粉がよくつき、実入りがよくなります。
- ■施肥量
- 元肥は目安として10u当たり成分量で、チッソ、リン酸、カリをそれぞれ150〜200gを施用します。
スイートコーンは多肥を好みますが、生育初期に肥料による濃度障害を起こしやすいため、追肥を適期に施用することで生育を進めるようにします。
ポット育苗
スイートコーンは、発芽には比較的高温が必要なので、育苗には温度を確保できる場所が必要です。
最低気温が15℃以上になったころ根鉢をくずさないように定植します。
ポリ鉢に直接タネをまいて、そのまま育苗
受粉
稈の頂部に雄穂、中間に2〜3本の雌穂がつきます。この雌穂から実の数だけ絹糸が出て、飛散する雄穂の花粉がついて受粉すると実がなります。
- キセニアとは…
- スイートコーンは、デントコーンやポップコーンの花粉で受粉すると粒が硬くなり、甘みが低下して食味が悪くなります。
このように花粉の影響が直接現れる現象をキセニアといいます。
また白色種が黄色種の花粉で受粉するとその部分は黄色の粒になります(白色よりも黄色の方が優性)。
生育
- ■生育適温
- 22〜30℃(35℃以上は高温障害。トンネル栽培は注意が必要)
※温度の日較差は10℃ぐらいあるほうが糖度が上がりやすい。
[スイートコーン生育ステージ別ポイント(中早生種)]
分けつ
分けつを残すことで根量と葉面積が増えて、増収と倒伏防止の効果が得られる上、省力にもなります。たくさん分けつが出る場合は、2〜3本残してあとは除去してもよいでしょう。
[無除けつ栽培の長所と短所]
長所
- @葉面積が大きくなる
- A根量が増える
- B分けつ雄花の花粉利用 (先端不稔の減少)
- C省力化
- D倒伏しにくくなる
- E葉面積と根量が増えるため、増収の効果が見込める
短所
薬剤散布や収穫作業の能率低下
追肥と潅水
- ■追肥時期
- 1回目:本葉6〜8枚 2回目:雄穂出穂期
- ■追肥量
- チッソ成分40〜50g/10u 速効性肥料を使用
- ■潅水
- 発芽〜1回目追肥:普通〜やや少なめ
〜雄穂開花期:普通
〜収穫期:乾燥させないこと(やや多め)
[良質な大穂を作る条件]
- @雄穂出穂期までに、ある程度強めの草勢を維持し、茎が太いこと
- A出穂期から収穫期まで肥料切れを起こさず、土壌を乾燥させないよう適湿に保つ
[先端不稔の原因]
- @密植過ぎる
- A雄穂出穂期までの草勢が弱すぎる
- B出穂〜収穫期の不良条件(雨天、低温、高温、乾燥)
- C花粉量の不足
- D雄穂と雌穂の開花期のズレ (乾燥の場合になりやすい)
収穫
[除房]
除房栽培は、上から2番目の雌穂の絹糸が出始めたころ、2穂目を除去して1株1穂にする方法で、除房しないよりは1穂目がある程度大きくなります。
しかし、除房の際に茎葉を傷つけてしまうことが多く、除房による増収効果は薄いため、省力の意味でも除房は行わなくてもよいでしょう。
収穫が早すぎると糖度が十分に上がりません。遅れると粒皮のしなびや糖度の低下につながります。収穫適期は開花後20〜25日ごろで、絹糸が褐変し、先端の子実が黄変した時が適期です。試しむきをして熟期を確認し、収穫を行いましょう。
常温では、収穫後5〜6時間で糖分が減り始め、その後どんどん甘さが減少します。家庭菜園ではもぎたての味をすぐに楽しむようにしましょう。
[クリーニングクロップとして利用]
イネ科なので一般の野菜との関連病害がほとんどなく、土壌中に残っている肥料分を吸収する能力が高いため、畑のクリーニングクロップとして利用できます。
長年の栽培で塩類集積や連作障害などで、作物がうまく育たない場合はスイートコーンを作付けするとよいでしょう。