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野菜栽培マニュアル

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オクラ

■菜園向けオクラ栽培カレンダー

栽培カレンダー

花と品種

オクラは、淡黄色の清楚な花を咲かせます。
オクラの花は1日花で、早朝から開花を始め、夕方にはしぼんでしまいます。

オクラの花

オクラの色々な品種

アフリカ原産のため高温性で、10℃以下では生育が停止してしまい寒さに弱い作物です。直根性で吸肥力が強いため、耕土が深く排水のよい肥沃な土壌が適しています。過湿に弱く生育不良をおこしやすくなります。
オクラは栄養も豊富で、ビタミンやカルシウムが多く含まれています。
莢を切った時のネバネバは、ペクチンと呼ばれる成分で消化を助けて、胃があれるのを防ぐ効果があります。

発芽

■発芽適温
25〜30℃

地温が低いと発芽不良(10℃以下になるとほとんど発芽しない)を引き起こしやすく、初期生育が遅くなり苗立枯病の被害も増えます。
直播の場合は早めにマルチを張り、地温を上昇させておきます。

オクラの発芽

(発芽試験例)

発芽温度 発芽日数 発芽率
25〜30℃ 3〜5日 85%以上
20℃ 10日 85%以上
15℃ 20日 60%程度

播種(直播)

播種の目安は、最低地温が15℃以上になったころです。一般地のマルチ栽培では5月上旬ごろ、トンネル栽培では4月上旬ごろになります。マルチは生育初期の地温を高め、水分と肥料分を保持する働きがあるのでぜひ利用するようにしましょう。

生育よい2〜3株を残して、残りの株を根元から切り取る。

欠株を防ぐため1穴に4〜5粒播種し、本葉2〜3枚の時に生育のよい2〜3本を残して、ほかの株元からハサミで切り取ります。1ヵ所に2〜3本植えがよいでしょう。
本植えはどんどん生育して大きくなり茎も太くなりますが、莢も同じように早く硬くなってしまいます。最近は1穴5〜6株の密植栽培も増えています。

■施肥量
元肥は目安として10u当たり成分量で、チッソ、リン酸、カリをそれぞれ100〜150gを施用します(「ヘルシエ」はチッソ成分量を通常の2割程度)。オクラは吸肥力が強く、元肥が多いと草勢が強くなりすぎ、いぼ果や曲がり果が発生しやすくなるので注意します。

ポット育苗

オクラは、発芽には比較的高温が必要なので、育苗には温度を確保できる場所が必要です。
最低気温が15℃以上になったころ根鉢をくずさないように定植します。

ポリ鉢に直接タネをまいて、そのまま育苗

発芽した状態

本葉1枚のときに2本にする。

育苗数日は15〜20日、本葉2〜3枚が定植適期です。

生育

■生育適温
20〜30℃(最低気温10℃以下では生育が停止し、落花も多くなる)

追肥と潅水

[追肥]

1番果を収穫するころから、追肥をします。10u当たり、チッソ成分で20〜30g。
7〜8月の収穫最盛期は、特に肥料切れに注意します。10〜15日を目安に、速効性の肥料を与えてください。開花位置の上に3枚以上の葉が開いていれば、順調な生育です。
定期的な追肥を行い草勢を保つことで、より長期の収穫が可能になります。

[潅水]

オクラは暑さと乾燥に強い作物ですが、水分が不足すると莢の発育が遅くなり、硬くなって品質が低下します。梅雨明け後の盛夏期は、こまめに潅水を行うようにしましょう。黒マルチや敷きワラを利用して乾燥を防ぐ方法もあります。

開花位置の上に、3枚以上の葉が開いていれば生育は順調

草勢判断と摘葉

摘葉は収穫莢の下1〜2枚の葉を残し、それから下を取り除きます。
摘葉をすることで通気性がよくなり、病気の発生予防や収穫時の作業性の向上のほか、莢が濃緑になり品質が向上するなどの効果があります。

草勢が弱い
・茎が細い
・葉が小さい
・葉色が薄い
・葉の刻みが深い

正 常
生育(収穫)が進み、
下葉がこみ合うよう
になると摘葉する。

草勢が強い
・茎が太い
・葉が大きい
・葉色が濃い
・葉の刻みが浅い

収穫

莢の長さは5角オクラが7〜8cm、丸オクラが15cm程度です。
特に5角オクラは、収穫が遅れると莢が硬化して品質が悪くなるので若どりを心がけます。
開花後収穫までの日数は6月で7日間、7月で4日間、8月で3日間を目安にします。

収穫目安は莢の長さ7〜8cm程度

センチュウと生理障害

[ネコブセンチュウ]

オクラはネコブセンチュウの被害が大きいので連作に注意します。
草丈が低く、生育が弱い場合は、根にコブができている可能性があります。
葉、根葉類や水稲などの連作体系を組むとよいでしょう。

[オクラの生理障害]

イボ果
過繁茂や極端な草勢低下。適正な栽植密度と肥培管理を心がける。また低温や日照不足が続くと発生が多くなる。品種選定も重要。

曲がり果
莢内部の子実の発育不良が原因。草勢低下や、特にカメムシの吸汁による。追肥やカメムシの防除を行う。

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