第6回

2018/07/20掲載

8.マツタケ狩りもありました

マツタケ狩りもありました

11月上旬、秋の深まりとともに葉根菜の秋野菜がスクスク育ち圃場が緑に覆われ、朝夕が涼しくなるころ、待ちに待った「マツタケ狩り」のイベントが待っています。社員、生徒全員参加で行われます。マツタケ狩りはプールの上手から現在は堆肥置き場となっている松林で実施していました。この松林一帯はタキイの土地でしたが、マツタケの入会権は農場が立地する針地区が所有し、解禁日の10月1日から1カ月間は無断で入山禁止と朝礼で当時校長だった治田場長から厳しく通達がありました。

というのも1カ月間、農場はわざわざ入会権を払い、本社で使う得意先などへの贈答用としてのマツタケを確保するのに入山していました。朝礼後当番となった若手社員はベテラン社員の指導の下、半日かけてマツタケを探索します。とれた中から形状のよい一級品を本社に送り、虫食い、傘の開き過ぎなど2級品は若手社員へ下賜され、一人で5〜6本を受け取ることもありました。かく言う私も生まれて初めて腹一杯のマツタケを食べさせてもらいました。

入山解禁の11月の第1週目がくると、生徒たちも待ちに待った全員参加のマツタケ狩りです。2時間余りをかけての探索が終了すると戦利品の品評会へ移ります。最多賞(一番多くとった人)、大物賞(一番大きく重量のあるもの)、ソックリ賞(???今では確実にセクハラ案件)などの表彰で大いに盛り上がります。その後、実習班ごとに生徒と社員が集まり、飯ごう炊さんでマツタケご飯作りです。さらにマツタケ鍋も毎年完食。生徒たちは余ったご飯はおにぎりにして、再度夜食で味わったものでした。

楽しみだったマツタケ狩りは入社して5年ほど続いていましたが、山林の手入れが行き届かない環境変化によるものなのか、とりすぎたのか原因は定かでありませんが、次第に不作となり、やがて姿をまったく見かけなくなり行事は中止となりました。今はハイキングに出かけ飯ごう炊さんを楽しむリクレーションに変わりましたが、以来たらふくマツタケを食べたことはありません。近年山林周辺はイノシシ、シカが増え、往年の面影はまったくなくなりました。

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