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京都府との「農福連携」〜社業で培った農業技術指導を提供〜
「農福連携」2018年度の報告(2019年8月30日掲載)
国の「農福連携」強化の動きを受けて各自治体では独自の支援を始める自治体が増えつつありますが、「農業」と「福祉」をつなぐ人材の不足が全国的に課題です。京都府とタキイは2017年8月に、そうした現場における農業指導の人材不足をカバーするため支援協定を締結いたしました。2018年に入って活動は本格的にスタートし、タキイからは経験豊富なOB技術者2名を派遣し、京都府障害者支援課、きょうと農福連携センター様と連係した活動を進めています。派遣先の福祉事業所からも感謝の声と評価をいただいています。
2018年度に具体化した「農福連携」について報告いたします。
@キャリアパス認証「チャレンジ・アグリ」への貢献
障害者が講義・実技による全6回(30時間)の課題を通じて、農業の基礎について体得し、修了者には認定証が交付されます。これは京都府独自の取り組みで、2017年度からプレ講習がスタートしました。修了者には認定証を交付することで農業に対する知識や技術を見える化し、働きがいや意欲をもって取り組んでいただこうという狙いです。将来的には作業工賃など処遇改善への寄与を目指すものです。
講習では春はコマツナ、秋はミニトマトの栽培が実施され(2019年度は春にミニトマト、秋にコマツナの順となります)、収穫したものの直販まで実践いただきます。講習における栽培面のカリキュラム構築やテキスト作成にタキイのOB技術員が携わり、講師として活躍しています。すでに南部サテライト拠点「さんさん山城」(京田辺市)で開催されたプレ認証では、1期と2期が修了し、2018年修了者は18名となりました。うち2名の方が就農移行され、それ以外の方も各事業所での農業活動でリーダー的な存在として活躍が期待されています。
2019年5月からの3期生講習からは、講習拠点を京都府中部サテライト拠点(亀岡福祉会)である南丹市でも開催。南部サテライト拠点の京田辺市と2カ所で、前期、後期の2回開催が予定されています。
A農福連携アドバイザー会議のオブザーバーとして
上記、「チャレンジ・アグリ」認証制度の構築に向けての各種ワーキングへの出席や、府内福祉事業所巡回メンバーへのオブザーバー参加など、専門的な観点で意見を求められています。
B福祉現場における生産実証のため専門家派遣に協力
現在、京都府内の福祉施設では、福祉施設における加工用のトウガラシ栽培の拡大に取り組まれています。安定した栽培に向けての指導にもタキイのOB技術員が派遣されています。また、華道や茶道文化が継承される京都ですが、そうした場に欠かせない茶花の生産が減っています。府では文化を守るためにも福祉施設で少量でも栽培し供給できないか模索されていました。そこで、栽培に適した茶花の選定や試験も含めOB技術者がサポートしています。
井手町の「工房あんじゅ」さん(農業従事者5名)では野菜、花き、イチゴの栽培を指導、宇治田原町の「むく福祉会」さん(農業従事者15名)では加工用唐辛子のほか各種野菜やジャガイモの栽培などを指導、長年悩まれていた圃場の排水対策を整え栽培環境整備に寄与しました。2019年からは精華町のせいかファームさん(農業従事者1名)でもセロから指導がスタートしています。こうした福祉施設では有機無農薬栽培を希望されている場合も多く、そうした現場の要望にOB技術員がサポートしています。
また、天候不順で豪雨被害やや台風襲来が相次いだ2018年は、京都府に派遣要請のあった事業所にOB技術員が赴き、現地確認の報告と初動対応にあたりました。加工用トウガラシを栽培していた7つの事業所では7月の豪雨で冠水被害を受けた圃場もありましたが、ダメージからの早期回復をサポートし、その後の生育に影響を与えませんでした。こうした適切な指導は成果としてあらわれ、関係施設からは感謝の声も頂戴いたしました。
C農福啓発活動へ協力
福祉事業所で栽培された農産物を消費者と結びつける各種マルシェなど農福の啓蒙活動にも協力しています。2018年には南部サテライト拠点のさんさん山城さん主催で開催された「農福マルシェ」では、廃棄種子を使った種子アートの講習やミニ栽培講習などを実施。2019年1月12日(土)桂川イオンで行われた京都府主催の「第2回ノウフク新春大感謝市」では、開催式典に来賓として弊社瀧井社長が招待され、ご挨拶をさせていただきました。
2019年3月にはきょうと農福連携センター主催の「ノウフク土曜講座」開講にあたり、農福連携を開始する京都大学農学部の益川ホールにて「企業の取り組みと農服連携の可能性」をテーマに京都府との活動について弊社CSR委員が講演させていただきました。
2019年度の見通し
農水省では今年2月から「農福連携」で生産された農産物や加工品を「ノウフクJAS」として認定する制度を制定し、本年中には「ノウフク加工食品」「ノウフク生鮮食品」の認定商品が出回る予定です。福祉の現場では実際の農業を指導できる人材が不足しています。タキイ種苗は創業以来、社業を通じて培ってきた農業技術や経験を生かし、京都府の「農福連携」に協力し、タキイならではの社会貢献を進めていきたいと思います。
ご紹介した京都府の農福連携事業のサポートや京都式キャリアパス事業のお問い合わせは、きょうと農福連携センターへお問い合わせください。
タキイ種苗で直接の対応しておりませんのでご了承ください。
<お問い合わせ先> きょうと農福連携センター TEL:075-414-4596(受付時間/月曜〜金曜日 9:00〜17:00)
ホームページアドレス:http://www.kyo-noufuku.com/