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アイリス（イリス） モザイク病（もざいくびょう）・ウイルス病（ういるすびょう）

データ作成年月日：2006/04/01
文章執筆：米山伸吾写真提供：米山伸吾(SY) ・西村十郎(JN)ウイルス病校閲：亀谷満朗

  • 写真1(SY)
  • 写真2(SY)
  • 写真3(JN)

症状（診断）

　BYMVによる場合、初め、葉脈に沿って緑色濃淡のモザイクを条斑状に生じる。IMMVによる場合は、葉や花茎に淡緑色の細い条斑を生じ、のちに淡いモザイクになる。TuMVによる場合、葉にはっきりとしたモザイクを生じ、淡緑部の中央部分に褐色のえそ、またはえそ条斑を生じる。

発生のしくみ

　インゲンマメ黄斑モザイクウイルス（Bean yellow mosaic virus BYMV）やアイリス微斑モザイクウイルス（Iris mild mosaic virus IMMV）、およびカブモザイクウイルス（Turnip mosaic virus TuMV）によって発病した場合はモザイク病と総称され、BBWV、NLVおよびCMVによって起こる病害は、ウイルス病と総称される。
　BYMVは主にマメ科に、IMMVはイリス類に、TuMVはアブラナ科に主に寄生するが、いずれも汁液で伝染するほか、アブラムシにより媒介される。

防ぎ方

　耕種的防除法は、(1)花茎を切る時は健全な株から始め、発病株は最後にするか、発病株は除去する。(2)本病を媒介するアブラムシの飛来を防止するため、周りをシルバーテープで囲うか、シルバーストライプマルチを敷く。ただし、この方法は生育が進むと飛来防止効果が低下する。(3)寒冷紗で被覆してアブラムシの寄生を防ぐ。(4)アブラムシの飛来の多い植物の近くでは栽培しない。(5)激発した被害株は抜き取り焼却する。(6)一度発病した株の球茎や種球（根茎）は用いない。
　農薬による防除法としては、殺虫剤を用いてアブラムシを駆除する。なお、モザイク病に登録防除薬剤はない。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法（使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など）をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。