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病害情報

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アスター さび病(さびびょう)

データ作成年月日:2006/04/01
文章執筆:植松清次写真提供:堀江博道(HH) ・西村十郎(JN)

  • 写真1(HH)
  • 写真2(JN)
  • 写真3(HH)

症状(診断)

 葉に発生し、初め葉の裏側に水膨れ状の青白色〜淡黄色の小さな斑点となって現れる。やがて、橙色の粉状の夏胞子を噴出するため、病斑は鮮やかな橙色の小斑点となる。激しく発生すると病斑が融合して、葉裏全体が橙色となる。
 梅雨時期に多発する。下葉から発病し、次第に上葉に病斑が進展し、冬胞子が形成される。葉裏や茎には1〜2mmほどの病斑部が形成され、鮮やかなオレンジ色の粉質の夏胞子が病斑上に形成される。葉表は黒褐色となり、病斑が葉上を覆うようになると、葉は枯死する。
 露地では5月ごろから発生し始め、6〜7月に多発する。夏季の高温時には一次発生の進展は緩慢になるが、秋季には再び多発する。冬季でも葉上に病斑が形成されている。
本菌はソリダスターに激しいさび病を引き起こす。

発生のしくみ

 糸状菌(かび)の一種で、担子菌類に属するコレオスポリウム アステラム(Coleosporium pini-asteris )というさび病菌による病害である。本菌は2種類の異なった植物を交互に寄生する性質(異種寄生と呼ぶ)をもっており、病斑上に橙色の夏胞子と黒褐色の冬胞子を形成するが、冬胞子は少ない。したがって、夏胞子が空気、風などとともに飛散して広がると考えられる。
 ヨメナやシオン、セイタカアワダチソウにもしばしば同種のさび病菌の寄生が認められることから、伝染源の一つと考えられる。また、アカマツを中間寄主とし、アカマツ上では柄胞子やさび胞子を形成するという。したがって、これらの寄主からの伝染が考えられる。

防ぎ方

 耕種的方法では防ぎにくい。雨滴などとともに夏胞子が飛散して伝染するため、頭上からの潅水もなるべく控える。風通しをよくし、密植にしない。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。