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病害情報

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文章執筆:米山伸吾 写真提供:米山伸吾(SY) ・西村十郎(JN)



 主として茎に発生し、時に葉にも発生する。茎の病斑は初め、当年生の茎に赤紫色または紫色の小斑点として認められる。この斑点は拡大して白っぽい壊疽性の病斑になり、その周囲は赤紫色となる。いくつかの病斑が癒合してしばしば大形の病斑を形成する。春には越冬後の二年枝の病斑は時に直径10mm以上の大形となり、病斑上には多数の分生子殻(柄子殻)や子のう殻が黒色小粒点として認められる。湿潤な天候が続くと、病斑上に分生子(柄胞子)や子のうの粘塊が噴出する。露地栽培のバラに多発生すると、越冬後の二年枝に多数の灰白色または淡褐色壊疽性の大型病斑(キャンカー)を生じ、多くの茎や枝が枯死する。病斑の周囲は赤紫色になり、病斑上に無数の黒い粒(柄子殻、子のう殻)を生じる。茎の大型病斑や枯死部分が赤紫色に縁取られ、病斑上に無数の黒色小粒点が認められれば本病と診断される。




 病原菌は、クリプトスポレラ アンブリナ(Cryptosporella umbrina)という子のう菌類に属する糸状菌(かび)の一種で、バラにのみ病原性を有する。本菌は枝の病斑の表皮下に形成される小黒粒点(子のう殻)あるいは菌糸の形で越年する。翌年、この子のう殻の中に形成される子のうが成熟すると、中から子のう胞子が空気中に飛散して第一次伝染する。また分生子殻(柄子殻)ではそれが成熟すると分生子(柄胞子)が飛散して第一次伝染する。降雨や湿潤な天候が続くと、病斑に形成された小黒粒点(柄子殻や子のう殻)から、子のう胞子や分生子(柄胞子)が粘塊となって噴出し、それが降雨によって流れ出て第二次伝染する。本病は多湿でやや低温の時に発病する傾向がある。





 被害茎を切除して焼却する。チッソ質肥料の多施用を避け、密植や過繁茂にならないように管理する。茎や葉の上から潅水しない。


データ作成年月日:2007/09/30

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 本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。
 病害の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。
写真1(JN)


写真2(SY)