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病害情報

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ダリア 花枯病(はながれびょう)

データ作成年月日:2007/03/01
文章執筆:米山伸吾写真提供:西村十郎(JN)

  • 写真1(JN)

症状(診断)

 花弁の先端に近い部分に淡褐色で円形または楕円形の斑点を生じる。病斑はやがて拡大、増殖して花弁全面に及ぶ。病斑部から先端がしおれて、ついには褐変枯死する。花冠の外側の花弁から発生して次第に内側の花弁に進展し、腐敗した花弁が垂れ下がって花全体が焼けただれたようになる。

発生のしくみ

 病原菌は、イテルソニリア パープレクサンス(Itersonilia perplexans)という不完全菌に属する糸状菌(かび)であって、被害植物残渣とともに土壌中で菌糸または分生子の形で越年する。翌年になると、これらの菌糸から分生子が形成され、それが飛散して第一次伝染する。また、病斑上に生じる灰色のかびは本菌の気中菌糸で、そこに多数の分生子が形成され、これが飛散して第二次伝染する。本菌はゴボウ黒条病、キク花枯病の病原でもある。

防ぎ方

 耕種的防除は、(1)連作を避けるか、前年の被害植物残渣を集めて焼却する。(2)チッソ質の過用を避けて密植、過繁茂にならないような肥培管理を行う。(3)排水を良好にし、土壌水分が高くならないようにする。(4)発病した葉や花蕾は摘除して焼却する。(5)本病が発病しやすい品種あるいは発生しやすい栽培環境の場合には、できるだけ露地を避け、雨よけ栽培にする。
 登録防除薬剤はない。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。