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症状（診断）

　初め葉脈が黄色になったり、葉が縮れたりする。病原により異なるが、CMVによる症状は、葉脈だけがやや緑色が淡くなったり黄色になったりして、葉身が細くなり、花もやや小型になる。塊根により伝染するので、本ウイルスを保毒した塊根を毎年のように植え付けると、ウイルスが増殖して生育が悪くなり、葉が縮れたり花が小型になったりする。DMVによる症状は、葉脈の緑色がやや濃くなったり、アザミの葉のような退緑斑紋を生じたり、あるいは葉縁が波立ったような縮葉症状になる。株全体が萎縮して花もやや小型になる。

発生のしくみ

　病原は、キュウリモザイクウイルス（Cucumber mosaic virus CMV）やダリアモザイクウイルス（Dahlia mosaic virus DMV）である。
　CMVは多くの草花や野菜および雑草に寄生し、アブラムシによって非永続的に伝染するほか、一度発病して保毒した塊根を使用すると、葉にモザイクを生じる。また管理作業中に発病した茎葉に接触することにより伝染する。
　DMVもアブラムシによって非永続的に伝搬される。宿主範囲は比較的狭い。
　15℃から25〜26℃のような温暖な時期に病徴が出やすく、アブラムシの発生が多い春および秋に発生しやすい。ダリアのウイルス病にはほかに、タバコ条斑ウイルス（Tobacco streak virus TSV）によるウイルス病がある。

防ぎ方

　耕種的防除法は、(1)収穫などで花茎を切る時は健全な株から始め、発病株は最後にする。(2)発病株は除去する。(3)アブラムシの飛来を防止するため、周りをシルバーテープで囲う、もしくはシルバーストライプマルチを敷く。ただし、生育が進むと飛来防止効果が低下するので注意する。(4)寒冷紗で被覆してアブラムシの寄生を防ぐ。(5)アブラムシがたくさん飛来する植物の近くでは栽培しない。(6)激発した被害株は抜き取り焼却する。(7)発病した塊根を使用しない。(8)茎頂培養によりウイルスを除去する。
　農薬による防除法は、登録された殺虫剤を用いてアブラムシを防除する。モザイク病に登録防除薬剤はない。