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デージー（ヒナギク） 菌核病（きんかくびょう）

データ作成年月日：2006/04/01
文章執筆：米山伸吾写真提供：米山伸吾(SY) ・西村十郎(JN)

  • 写真1(SY)
  • 写真2(JN)

症状（診断）

　地際部の茎に褐色で水浸状の病斑を形成し、やがて病斑が茎を取り巻くようになると茎は軟化腐敗し、株は生気を失ってしおれて枯れる。葉には褐色で水浸状のぼんやりした腐敗病斑を形成する。茎葉ともに白色綿毛状のかびを生じ、後に黒色不整形のネズミのふん状の菌核を形成する。

発生のしくみ

　病原菌は、スクレロティニア スクレロティオラム（Sclerotinia sclerotiorum）という子のう菌に属する糸状菌（かび）である。被害植物残渣とともに土中で越年したネズミのふん状の菌核（直径1cm前後で不整形）から、秋あるいは春に発芽して褐色杯状の子のう盤（小型のきのこ）を作る。その中の子のうから子のう胞子を飛散させ、それが第一次伝染源となる。この子のう胞子がデージーに付着して発芽し、菌糸を伸長させて組織に侵入するとその部分を軟化腐敗させる。まれに土壌中の菌核から直接菌糸を伸長させ、デージーの茎を侵して発病させる。菌糸は0〜31℃で生育するが、菌核から子のう盤が形成される温度は20℃前後である。

防ぎ方

　耕種的防除法は、(1)被害茎葉などの残渣は集めて焼却する。(2)連作を避ける。(3)茎葉が過繁茂にならないように管理する。(4)畑前面をポリフィルムでマルチングする。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法（使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など）をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。