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病害情報

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文章執筆:佐藤豊三 写真提供:佐藤豊三(TS)



 初め下部の茎葉に小褐点が生じる。品種ホワイトのように比較的小葉の幅の広い品種では、直径5mm程度の円形褐色斑になるが(写真1)、品種ピンクのように小葉の細い品種では、病斑が拡大するとその先端部が淡褐色に乾枯する(写真2)。茎では紡錘形に拡大し、長径3〜5mmの暗褐色枯死斑となる。病斑の多い葉では葉枯れが生じ、次第に上位葉でも葉枯れが進行する。病勢の激しい場合は、蕾の萼に病斑を生じる。病斑や枯死葉上には病原菌のものと思われる小黒点状の分生子殻が散生し、多湿条件下でそこから淡黄色の分生子粘塊が溢出する(写真3)。




 本病はアスコキタ アクイレジエ(Ascochyta aquilegiae)という糸状菌によって引き起こされる。本病は1996年12月、香川県詫間町の連作3年目の無加温ビニールハウス(昼温約20℃、夜温6〜10℃)で初めて発生が確認された。同ハウスでは、海外産の種子を用いて高冷地育苗されたプラグ苗を購入して栽培しており、定植約2カ月後に発病が認められた。このような初発生の経緯および本病病原菌が日本新産種という事実から、本病は種子伝染性である可能性が考えられる。ハウス内では、潅水や管理作業の際、水や人手により病原菌の分生子が分散して感染が拡大するものと考えられる。また、人工培地上では病原菌は5〜30℃で生育し、23〜25℃が生育適温であることが知られている。しかし、発生生態については実証試験の報告がなく、詳細は不明である。





 本病発生地で採種された種子を用いないこと。発病を確認したら、罹病下葉を除去して焼却するか、土中に埋める。本病に登録防除薬剤はない。


データ作成年月日:2006/04/01

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写真1(TS)


写真2(TS)


写真3(TS)