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症状（診断）

　初め、地際部の茎に暗褐色で水浸状の病斑を形成する。病斑は急速に茎の上方へと拡大し、激しい場合は茎の先端付近にも達する。また病斑は葉柄茎部から葉身に達し、葉は暗褐色になって軟化腐敗し、病斑上に薄霜状の白いかびを生じる。根は主根、細根ともに褐色に腐敗してもろくなり、葉は水分を失って下葉から順次枯れ上がり、株全体は立枯れ状態になる。

発生のしくみ

　病原菌は、フィトフトラ カクトラム（Phytophthora cactorum）とフィトフトラ クリサンセミ（Phytophthora chrysanthemi）の2種記録があり、卵菌類に属する原生生物である。被害植物残渣とともに土壌中に残り、そこで卵胞子や遊走子のうを形成して越冬する。翌年地温が上昇すると遊走子のうから遊走子が放出され、それがキクの茎や根に達して侵入する。また遊走子は降雨や潅水によって土粒とともにキクに跳ね上がり、そこから侵入する。本菌は、5℃以下、30℃以上では生育せず、最適温度は25℃である。病斑上の遊走子のうから放出される遊走子によって第二次伝染する。

防ぎ方

　耕種的防除法は、(1)連作を避け、前年の発病株の残渣を集めて焼却する。(2)発病株は株元の土とともに除去して焼却する。(3)健全な親株から冬至芽を採取する。(4)排水を良好にし、潅水時に土粒が跳ね上がらないように注意する。(5)密植を避け、過繁茂にならないような肥培管理を行う。