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キンセンカ モザイク病(もざいくびょう)

データ作成年月日:2006/04/01
文章執筆:米山伸吾写真提供:米山伸吾(SY) ・西村十郎(JN)

  • 写真1(JN)
  • 写真2(SY)
  • 写真3(SY)

症状(診断)

 茎や葉、葉柄、花梗に二つの症状が見られ、生育が悪くなる。(1)生長点近くの葉が少し縮れているか、淡黄色のモザイク症状や斑点が見られる。(2)生長点付近の葉に不鮮明な黄点を多数生じ、さらに進行すると下葉に黄点やえそ斑を生じる。
 露地に9〜10月ごろ定植された場合では、9月下旬〜11月中旬にかけて感染しやすい。

発生のしくみ

 病原には、カブモザイクウイルス(Turnip mosaic virusTuMV)、およびキュウリモザイクウイルス(Cucumber mosaic virus CMV)が知られる。
 TuMVは、大きさ720〜750×12〜15nmのひも状ウイルスである。寄主範囲が広く、ダイコンやハクサイ、カブなどのアブラナ科、キク科、ナス科、アカザ科、マメ科などの多くの植物に感染し増殖する。
 一方、CMVは直径30nmの球状ウイルスで、宿主範囲は、多くの野菜、花き、雑草ときわめて広い。いずれのウイルスとも汁液接種は容易。ワタアブラムシやモモアカアブラムシなどによって非永続的に伝搬され、一度感染すると、植物体内で増殖する。種子伝染、土壌伝染はしない。

防ぎ方

 育苗圃場へのアブラムシの侵入を防ぐため、ハウスの開口部には寒冷紗を張る。圃場では、本病の症状が現れた株は直ちに抜き取って燃やす。また、アブラムシの発生を防ぐため、早めに適用登録された殺虫剤で防除する。
 本病に登録防除薬剤はない。

ご注意

文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて上記データ製作日時点のものです。ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください。

農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります。また、生産者の健康被害に対する配慮も肝要です。

農薬の適用の対象や使用基準など、登録の内容は時期や地域によって異なります。間違った使用をされますと、効果がないばかりか作物に薬害を生じる恐れもあります。

本文の記述には万全を期しておりますが、使用農薬の選択および使用方法につきましては、お近くの種苗専門店や農協、公共の指導機関などにご確認の上、使用される農薬の注意書きをよく読んでお使いくださるようお願い申し上げます。

病害虫の診断は、判断が非常に難しい場合があります。詳しくは、農協または公共の指導機関にご相談ください。