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症状（診断）

　球茎の表面に暗褐色の腐敗性の斑点を生じる。進展するにつれて、病斑上に青白色または蒼白色のかびを生じ、後には球茎全体が腐敗する。そのために地上部の葉が生育不良となってやがては全体が退色し、しおれて枯れる。発病が遅かった球茎に生じた子球も発病し、生育中に腐敗しなかった球茎や子球は貯蔵中に軟腐状に腐敗する。健全な球茎を罹病球茎と一緒にして貯蔵すると、病斑を生じて腐敗する。

発生のしくみ

　病原菌は、ペニシリウム　クロシコラ（Penicillium crocicola）という不完全菌に属する糸状菌（かび）であって、被害植物の残渣とともに菌糸の形で土壌中で越年する。翌年分生子を生じ、それが飛散して第一次伝染する。そのほか保菌した球茎の組織の中で菌糸または分生子の形で越年する。培養した菌叢は灰緑色〜青白色である。

防ぎ方

　耕種的防除法は、(1)連作を避けるか、発病植物の残渣は集めて焼却する。(2)密植を避け、過繁茂にならないような肥培管理を行う。(3)排水不良地では排水を改善し、土壌水分が高くならないようにする。(4)発病した葉や花蕾は摘除して焼却する。(5)健全な球根のみを植え付ける。
　登録防除薬剤はない。