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2008.08.21
玉肥大、形状が安定し、病気に強く栽培しやすいレタス『マリーナ』を新発売
タキイ種苗は、レタスの新品種『マリーナ』を発売します。
レタスは気温の変化や降水量に敏感で、生育のバランスが崩れると玉の形が乱れたり、病気が発生しやすく、他の野菜より比較的栽培が難しい作物になります。特に、※作型の端境期にあたる、冷涼地の春から初夏(6月中下旬どり)や夏から秋(10月中下旬どり)、中間地の秋から冬(11月中下旬どり)、暖地の秋から冬(11月下旬〜12月上旬どり)などでは、年による気候の変動や近年の温暖化にともなう異常気象を受けやすいため、計画的な収穫、出荷が不安定な時期に当たり、品種を選定するのが難しいのが現状です。
一方、消費者の求める玉の大きさは、小玉(肥大不足)や大玉も避けられる傾向があり、適度な大きさの玉を生産しなければ出荷しても値段が取れないことが多くなります。
今回、新発売のレタス「マリーナ」は適度な玉肥大・耐暑性・耐寒性を合わせもち、「春から初夏どり」や「秋から冬どり」など端境期に作型が移行して、作柄が不安定になりやすい時期の栽培に適した品種です。梅雨や秋雨などの長雨で発生しやすい※斑点細菌病や※菌核病の発生が少ないので、降雨による不良環境下で安定出荷を狙う栽培にも適しています。
その上、球頭の包皮性が良く、気温の高い作型で使われる品種に比べて※スパイラル球になりにくい品種です。また、気温の低い作型で使われる品種に比べて過剰な生育をせず、※タコ足球や※甲高球になりにくいので、玉の乱れが少ないのが特長です。
マリーナ
タキイのレタスは様々な気候に適応能力が高く、生育のバランスが崩れにくいものを目標に育成を進めており、秀品率の高い品種のラインナップが充実しています。
その中でも「マリーナ」は、特に栽培が難しく安定しない端境期のレタス生産にとって、品質、病気、玉肥大にすぐれ、安心して作れるように育成された品種です。生産者が、計画的に安定した栽培をした上で、収穫、出荷を目指せるレタスとして、また消費者がいつでもおいしくて、みずみずしいレタスが食べられるよう各産地に導入を図っていきます。
『マリーナ』の主な特長
適度な玉肥大・耐暑性・耐寒性を合わせ持ち、作柄が不安定になりやすい時期の栽培に適する。
斑点細菌病や菌核病の発生が少ないので、降雨による不良環境下で安定出荷を狙う栽培に向く。
球頭の包皮性が良く、スパイラル球、タコ足球や甲高球になりにくいので球形状の乱れが少ない。
端境期の栽培に適した品種であり、より高温期や低温期の栽培にはそれぞれの作型に適した品種を使用してください。

※作型…作物の作る時期や作り方を分類したもの。例えば、促成栽培、抑制栽培、冬どりなど。

※斑点細菌病…細菌(バクテリア)の一種で、湿度が高い時に発生しやすい。外葉に多く発生し褐色の斑点ができる。

※菌核病…糸状菌(かび)の一種で、低温・多湿の時に発生しやすく、多くの野菜、草花に発生する病気。地ぎわの茎、葉の基部、土に接している葉などを侵して腐らせる。

※スパイラル球…結球前期の短期的な過剰生育などにより、内部葉がよじれながらタケノコ状になること。

※タコ足…外葉の不充分な生育,突発的気象障害などにより、球尻の結球葉の中肋が突出すること。

※甲高球…球肥大・充実期の高温・抽台により、球形から伸び上がり縦長球になること。
作型表

品種名 量目 種子希望小売価格(税込み)
マリーナ ペレット種子 L5千粒  6,930円