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2010.09.02
生食可能で、サラダにもおすすめ!! 肉厚で食味のよい丸葉系
大葉シュンギク『菊之助』を新発売
タキイ種苗は、2010年の新品種として、生食でサラダにも利用できる苦味の少ない大葉シュンギク『菊之助』を発売します。

日本人の食生活において、野菜の消費量は年々減少しており、米国と比較しても1998年には国民ひとり当たりの年間消費量は逆転しております。※1また、核家族化や女性の社会進出が進むにつれ、調理にかける時間が減少し、多くの野菜を摂取することのできる煮物や炊き物が食卓に並ぶことも減っております。そのような中、生で食べることができる野菜のニーズが高まってきております。特にサラダは手軽に数種類の野菜を摂ることができることから、スーパーや直売所で、様々な種類や販売方法の提案がされています。

今回新発売する『菊之助』は、鮮緑で葉の切れ込みが極少ない丸葉系の大葉シュンギク※2です。シュンギク特有の苦味が少なく、葉は肉厚でジューシーな食感を持つため、サラダ用として適しています。もちろん、鍋料理や和え物、お浸しにもおすすめの品種です。シュンギクはカロテン、ビタミンB・C、カルシウム、鉄、食物繊維などを豊富に含む代表的な緑黄色野菜で、独特の香り成分は自律神経に作用して胃腸の働きをよくする効果があると言われています。サラダなどの生食であれば、熱で壊れやすいビタミンやミネラルも豊富な状態で食べていただくことが可能です。

『菊之助』は、生育がややじっくりしていますが、ハウス中心の栽培を行うことで比較的容易に周年栽培が可能です。また、葉はしなやかで折れにくいため、収穫時の手間がかからず、結束・袋詰めも容易に行えるため、市場や直売所出荷にも向く品種です。これまでシュンギクの生食の例は少ないため、サラダの写真や品種紹介のPOPを利用することで、直売所や家庭菜園に対して、新たなレシピ提案や需要喚起につなげることができます。また、近年増えているベビーリーフ※3などに新たな品目として追加していただくことも可能です。

タキイ種苗では、『菊之助』のように家庭菜園や直売所に向けて、新しい需要を掘り起こす品種を開発し、生産者や消費者の皆様に新しい“食”への提案を行っていきたいと思います。
切れ込みの少ない、丸葉系の大葉シュンギク ジューシーで苦味の少なく、サラダにも最適です
切れ込みの少ない、丸葉系の大葉シュンギク ジューシーで苦味の少なく、サラダにも最適です
◆『菊之助』の主な特長
西日本でおたふく春菊と呼ばれる、特に葉の切れ込みの少ない鮮緑の丸葉系大葉春菊
香りがまろやかで特有の苦味がほとんどなく肉厚でやわらかくジューシーな食感
交配種ならではの葉揃い・株揃いに優れ、生育が旺盛で栽培がやさしい
従来の栽培よりもやや密植し、ベビーリーフ的に10〜12cm程度で収穫する小株栽培も可能
◆『菊之助』の栽培要点
好光性種子なので、覆土は薄くして、発芽が揃うまでは乾燥に注意する
条間20〜25cmで条まきし、本葉5枚までに株間10cm間隔とする
冬季はハウス栽培とし、被覆資材などを利用して保温を行い、生育促進を図る
高温期の栽培は芯腐れ症※4が問題となるため特に初期の潅水は丁寧にムラなく行う
<作型表>
作型表
<価格>
品種名 量目 希望小売価格(税込み)
菊之助 小袋(約4000粒) 315円


<注釈説明>
※1 野菜の消費量…日本人の野菜の消費量は年々減少傾向にあり、1998年に米国と比較して逆転。

資料:農林水産省「食料需給表」
FAO「Food Balance Sheet」(供給純食材ベースの比較)
(注)米国の値は供給粗食料に当該年の日本の歩留まりを乗じて算出
※2 丸葉系大葉春菊…西日本でおたふく春菊と呼ばれる特に葉の切れ込みの少ない春菊。
春菊には、大葉・中葉・小葉があり、葉の切れ込みの深さによって異なる。
※3 ベビーリーフ…ハーブや葉もの野菜の若い葉を摘んだものをミックスしてサラダなどに使用する。
葉もの野菜では、レタス類やミズナ、ホウレンソウなどが主に使われる。
※4 芯腐れ症…芯葉でカルシウム不足となり、発生する生理障害。土壌中のカルシウムが不足していることはほとんどなく、高温や乾燥、多肥条件で起こりやすい。