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2010.10.14
ビッグベイン耐病性で、高秀品率!冬どりのサリナス種レタス
秀品率が高い『シスコビバ』と玉肥大のよい『ウィンレー』を新発売
タキイ種苗は、2010年の新品種として、ビッグベイン病※1に強く、高い秀品率※2のレタス『シスコビバ』『ウィンレー』を発売します。

日本のレタス消費量は、戦後の食生活の西洋化にともなって、急速に増加しました。気温条件に応じて場所と作型※3を移動しながら生産が行われ、1年を通じて生産・出荷が確立している野菜です。しかし、防除が難しい土壌病害のビッグベイン病が気温の低い作型で発生し、日本でも1973年ごろから発病が始まりました。現在は冬どりレタスの主要産地(兵庫県、香川県、静岡県、千葉県など)で大きな問題となっています。もともとレタスの冬どりは玉肥大が不足しがちで、収量の安定が難しい作型のため、生産者からは高い秀品率と耐病性を両立する品種が望まれていました。タキイ種苗では、このような問題を解決したバランスがよい『シスコビバ』『ウィンレー』の新品種を開発しました。

今回新発売するレタス『シスコビバ』『ウィンレー』は、ビッグベイン耐病性を持つ、高秀品率の冬どりサリナス種※4です。両品種は耐病性のレベルも高く安定しており、低温期の結球性※5が良好で球尻のまとまりがよく、豊円球でボリューム感にすぐれており、効率よく安定的な収穫が可能になります。葉は肉厚で歯切れがよく食味も良好です。『シスコビバ』は、葉色が鮮緑色で草勢はややおとなしく、球尻の形状が安定しており、ビッグベイン病が発生する産地の年内〜冬どり作型で、耐病性と秀品率を高いレベルで持ちます。『ウィンレー』は、葉色が濃緑色で草勢は旺盛で玉の肥大と球尻の形状がよく、ビッグベイン病が発生する産地の冬どり作型に適し、耐病性・玉肥大・秀品率にすぐれています。

タキイ種苗では、冬どりの2品種『シスコビバ』『ウィンレー』を、ビッグベイン病で悩む生産者や今後の発生を心配する生産者へ推進していきます。また、今後の気候変動に影響されにくく、病気にも強い、形状の安定した栽培しやすいレタスの品種開発を進めていきます。
ビッグベイン病に強く、秀品率が高い『シスコビバ』 ビッグベイン病に強く、玉肥大のよい『ウィンレー』
ビッグベイン病に強く、秀品率が高い『シスコビバ』 ビッグベイン病に強く、玉肥大のよい『ウィンレー』
◆『シスコビバ』の主な特長
ビッグベイン耐病種の秀品率向上を図った品種。ビッグベイン病に強く、球尻形状が安定し、秀品率が高い。
低温期の結球性にすぐれ収穫期の玉ぞろいがよく、効率的な収穫ができる。
玉は形がよく球尻のまとまりもよい鮮緑の豊円球で、ボリューム感にすぐれる。
◆『ウィンレー』の主な特長
ビッグベイン耐病性、玉肥大、形状安定の複合向上を図った品種。
草勢が旺盛で低温結球性がすぐれ、収穫期の玉ぞろいがよく、効率的な収穫ができる。
玉は形がよく球尻のまとまりもよい濃緑の豊円球で、ボリューム感にすぐれる。
◆作型表
○シスコビバ  ○ウィンレー
作型表 作型表

<価格>
種名 量目 希望小売価格(税込み)
シスコビバ ペレット種子5000粒 7,350円
ウィンレー ペレット種子5000粒 8,400円


<注釈説明>
※1 ビッグベイン病…土壌伝染性のウイルス病(MLBVV)で、葉脈と葉脈に沿った部分の葉緑が退色するために、 葉脈が太く見えるようになる。地温が大きく影響し、感染適温は15〜20℃、病状は20℃ 以下で発生しやすく、防除が難しい土壌病害です。生育を抑制し、玉肥大の不足・収穫の遅延・結球不良を招き、その結果、収量の低下を引き起こします。
ビッグベイン病に感染したレタス ビッグベイン病感染初期の被害株に見られる
レタスの葉の退緑
ビッグベイン病に感染したレタス ビッグベイン病感染初期の被害株に見られるレタスの葉の退緑
ビッグベイン耐病レベル比較 ビッグベイン耐病種 秀品率比較
ビッグベイン耐病レベル比較 ビッグベイン耐病種 秀品率比較
※2 秀品率…全体収量の中で良品が占める割合。
※3 作型…作物を作る時期や作り方を分類したもの。例)促成栽培、抑制栽培、冬どりなど
※4 サリナス種…外葉の生育がコンパクトで、過剰生育しにくく、低温肥大性にすぐれ結球性が安定しています。
※5 結球性…キャベツやハクサイ、レタスなどは、植物の葉が重なって玉をつくることを結球といい、 このような性質を結球性という。