タキイ種苗は新品種として、べと病※1・うどんこ病※2に耐病性があり、管理作業がしやすく、多収で秀品率が高い夏秋キュウリ『Vシャイン』を新発売します。
夏秋キュウリは、単位面積当たりの収益性が高く、生産者にとって魅力ある作物といえます。しかし一方で、栽培期間が長く、収穫・出荷作業のほかに整枝・誘引・摘葉、さらに薬剤散布など多くの管理作業を平行して行わなければならず、規模の拡大が難しい作物です。また、キュウリの重要病害であるべと病・うどんこ病は、一度発生すると蔓延しやすく、頻繁に農薬散布などの防除が必要になります。タキイ種苗では、日本でいち早くべと病・うどんこ病に強い品種開発を進め、1991年に『夏すずみ』を発表しました。その後も耐病性品種の開発を進め、2008年にはべと病・うどんこ病だけでなく、ズッキーニイエローウイルス病(ZYMV)※3にも強い『Vアーチ』を発表しました。
このように、タキイ種苗では農薬散布を少なくできる品種を次々と発表し、キュウリ生産者に貢献してきました。
今回新発売する『Vシャイン』は、べと病・うどんこ病に耐病性を持ち、温暖化で蔓延が懸念されるズッキーニイエローモザイクウイルス病(ZYMV)にも強さを発揮するため、減農薬栽培が可能です。草姿は小葉で立性のため、管理や収穫作業がしやすく、省力化が図れます。また、側枝が連続して発生するので、安定して多収となります。極濃緑で長さが21〜22cmの果実は、歯切れと食味がよく、栽培後半まで果長が安定するので秀品率が高くなります。また、果実の肥大が早く枝数が多いため、初期から収量が上がり、トンネル栽培から露地栽培に向く夏秋用品種です。
タキイ種苗では、今後も『Vシャイン』をトンネル栽培から使用可能な高秀品率、多収の耐病性品種として夏秋産地での推進を図るとともに、管理しやすい省力草姿という特性が発揮されやすい肥沃地に、特に注力して推進して参ります。そして、更なる複合耐病化と環境適応性の向上を目指し、開発に取り組んで参ります。
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