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2012.07.25
青首ダイコンの首色にこだわり、現代の“ダイコン事情”を形にしました。
業務加工用で廃棄ロスが軽減され、形と太りがよく首色が淡い“淡緑首”ダイコン品種
『秋神楽(あきかぐら)』を新発売
タキイ種苗は、2012年の新品種として、形、太りが良く、首色が淡い秋ダイコン『秋神楽(あきかぐら)』を発売します。

ダイコンの作付け面積※1は、青果における需要減少や市場価格の低迷などにより2010年で35,700ha、5年前の2005年が39,100haで、ここ5年間で3,400ha減少しています。そのような中、ダイコンの消費形態は食生活やライフスタイルの変化により、家庭での煮物、漬物での利用が減り、刺身のツマや漬物、コンビニのおでんなどの業務・加工向けが増加しており、現在では60%を業務加工用が占めます。これらの用途では煮崩れしにくい、硬くて緻密な肉質や、青首の薄い品種が求められるようになっています。特に、ツマやオロシなどの加工業者は、ダイコンの青首の部分をカットし、白い部分のみを利用しているのが現状です。青首部分の廃棄にもコストがかかることから、青首の淡い品種が求められています。

今回新発売するダイコン『秋神楽』は、秋まき年内収穫に適し、首色が淡い緑色の“淡緑首”※2ダイコンで、萎黄病※3に安定して強く、形状の乱れが少なく、肌が美しい品種です。中間地・暖地での年内収穫での適期栽培で、播種後60日で根長38cm、根径8cm程度によく揃います。この『秋神楽』は、ツマやオロシ、漬物、おでんなどの加工業務向けのニーズを踏まえ10年をかけ育成し、どこで誰が栽培しても同じようなダイコンになるように作りやすさにもこだわっています。加工業務向けのみならず、青果用として生産者、家庭菜園愛好者へも推進し、初年度、2,000万円を販売目標金額にします。

今後、栽培性と品質をベースに淡緑首ダイコンの充実を図り、青果用や加工・業務用など、お客様のニーズに対応したダイコンの品種育成を進めてまいります。
淡緑首のダイコン『秋神楽』 肌が美しく青果用にも好評の『秋神楽』
淡緑首のダイコン『秋神楽』 肌が美しく青果用にも好評の『秋神楽』
◆『秋神楽』の主な特長 形状と肥大の安定した『秋神楽』の栽培風景
形状と肥大の安定した
『秋神楽』の栽培風景
中間地での秋まき年内収穫に適する淡緑首ダイコン。
肥大性にすぐれ、形状の乱れが少なく、作りやすい。
肌が美しく青果、業務加工用などさまざまな用途に向く。
   
◆栽培の注意点
無理な早まきは形状の乱れにつながる恐れがあるので避けましょう。
ス入り※4の回避やおいしさ、みずみずしさを低下させないためにも適期収穫に心がけましょう。
むやみに大きくすると、ダイコンとしては「老化」現象が始まり、おいしさやみずみずしさが低下することがありますので注意しましょう。
◆ 『秋神楽』の作型表
作型表
◆価格
品種名 量目 希望小売価格(税込み)
秋神楽
1袋(約240粒) 577円
1缶(2dl) 10,500円
<注釈説明>
※1 ダイコン作付け面積 農林水産省「農林水産統計」より
ダイコンの作付け面積推移(農林水産統計より)
ダイコンの作付け面積推移
(農林水産統計より)
※2 淡緑首(たんりょくくび) 首色が従来の青首ダイコンより淡く、緑色部分がうすい青首ダイコン。
※3 萎黄病(いおうびょう) ダイコン、キャベツなどの重要な土壌病害で、フザリウム菌によって発病する。葉は緑色を失って黄色に変わり、生育が止まってやがて枯死する。
※4 ス入り ダイコンやカブなどの根の中に起きる異常の一種で、内部の細胞が劣化し、スポンジ状の空洞ができること。収穫が遅れた場合や、何らかの障害で肥大が止まった場合に起こりやすい。