タキイ種苗は新品種として、中早生系※1の中小輪八重咲きシリーズのユーストマ『F1ホイップ ホワイト』と『F1ホイップ グリーン』を新発売します。
ユーストマは、冠婚葬祭などの業務需要から店頭販売まで幅広く利用されています。切花界の王者ともいわれるキクやバラの代わりに、八重咲きのユーストマを使用する場面も増えつつあり、近年その重要度は増しています。
現在ユーストマの出荷量は6〜11月が多く、それ以外の冬から春にかけての出荷は、ユーストマにとっては栽培が厳しいシーズンになります。この時期の出荷を目指した栽培では、低温低日照下での開花となるため、生理障害や病気などが発生し、品質を安定させることがとても難しいのが現状です。また、暖房などのコストがかかり、生産できる地域や品種が限定されてしまいます。そのため、ユーストマの生産者からは、この時期に安定して栽培ができ、早く出荷できる早生から中生系のシリーズが望まれていました。特に白色八重は、年間を通じて業務需要に欠かせないアイテムで、晩秋から春の出荷に適した有望品種が市場からも待望されていました。
『F1ホイップ』シリーズは、早生性の追求だけでなく、不良環境下でも安定して栽培できるよう開発されました。低日照条件でブラスチング※2が少なく開花性に優れ、また、低温多湿条件での灰色かび病※3による花シミに強いのが特長です。『F1ホイップ ホワイト』は、冬切りにも向く白八重品種として注目されており、花弁の先端がやや小刻みに波打ち、花首が太く、茎は硬くしっかりしています。分枝は少なめで、やや段咲き状に花がつき、草丈は比較的よく伸びます。『F1ホイップ グリーン』は、さわやかなグリーンで、ホワイトに比べて開花は早くなります。分枝性がよいため花数が多くつき、丸みのある花弁の重なり具合は可愛らしさを演出します。冬季でも開花性が極めて高く、栽培適応性の広い品種です。どちらの品種も花弁が厚くしっかりしているため、輸送時の荷傷みの心配が少なくなり、花持ちにも優れているため市場から消費者まで幅広く受け入れていただけます。
タキイ種苗では、今後も様々な需要に対応できるユーストマ品種の開発に取り組み、花き業界を活性化していきたいと考えています。また、国内だけでなく、世界でも愛される品種が誕生するよう努力してまいります。
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