タキイ種苗は新品種として、安定した伸びと太りで揃い性がよく、秀品率の高い根深ネギ『ホワイトソード』を新発売します。
鍋料理や焼きネギ、薬味など日本の食卓には欠かせない根深ネギ。本来は秋冬が旬の野菜ですが、今では一年中スーパーなどで見ることができ、家庭のみならず業務用としてもなくてはならない野菜のひとつです。しかし、近年の温暖化により、高温・多湿を苦手とするネギの栽培が年々難しくなっているのが現状です。根深ネギは露地で長期間栽培されるため環境による影響を受けやすく、その年の出来具合が販売価格にそのまま反映されます。そのため、生産者はより安定した収入が得られるよう、収量性や商品性、食味や品質などの品種に対するこだわりがさらに強くなってきます。
2003年にタキイ種苗より発売した『ホワイトスター』は、収量性や柔らかさ、食味の点で高い評価をいただき、年内どりを中心に直売所、家庭菜園など全国的な広がりをみせています。このような中、さらに冬場でもおいしい根深ネギをご提供するために、葉を硬くすることで寒さによる葉傷みを抑え、べと病※1、さび病※2などの葉の病害にかかりにくい品種改良を進めてまいりました。
今回新発売する『ホワイトソード』は、軟白部の伸長性に優れ、遅まきでも安定して軟白部分を確保できます。特に秋口からの生育が旺盛で、最高気温が25℃を下回るころから肥大も活発になり、Lサイズ中心で揃い性に優れています。また、首部の形状が美しく締りがいいので、圃場で首部がバラケにくいのが特長です。濃緑葉で、軟白部のテリツヤがきれいなので、流通市場でも高い商品性を有します。さらに、葉はやや硬く、べと病、さび病などの病気にかかりにくい品種です。肉質は緻密で、鍋物や焼き物にすると甘みが増す良質種です。
タキイ種苗では、近年の異常気象によりネギの栽培が難しくなる中で、どこでも誰でも安心してネギの栽培ができるような品種開発を続けていくと同時に、おいしいネギのリレー出荷ができる品種として、秋冬の収穫期前半は『ホワイトスター』、後半は『ホワイトソード』を推進してまいります。 |