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2013.01.16
春ダイコン栽培で生産者が最も敬遠する“トウ立ち”が極めて遅く、
加工・業務用の廃棄ロスを軽減するため首色を淡くした春〜夏どりの“淡緑首”ダイコン品種
『トップランナー』を新発売
タキイ種苗は、2012年度の新品種として、トウ立ちが極めて遅く、春〜初夏どりの淡緑首※1の春ダイコン『トップランナー』を発売します。

ダイコンは刺身のツマやおろし、漬物、コンビニのおでんなどの業務・加工向けが中心で、1年中消費される野菜です。生育適温が17〜20℃と冷涼な気候を好むダイコンは、季節によって栽培する場所を変えていき夏は冷涼な北海道、東北、高冷地などで、秋冬は栽培適温のため日本各地の一般地で栽培されます。
春に収穫されるダイコン(春ダイコン)は、暖地から一般地、冷涼地へと栽培されますが、抽苔※2の危険性があり一番難しい作型です。商品価値が下がる抽苔を回避するためにはトンネル、マルチなどを必要とし、その分生産コストがかかります。このため、生産現場では抽苔が遅く、被覆資材を軽減しても栽培可能な品種が求められております。(春ダイコンの作付面積※3は、平成23年産で4,890haで前年産に比べ40ha(約1%)減少しています)
また業務・加工向けでは青首が薄く、内部が青肉化しにくい淡緑首のダイコンが求められており、これまでにタキイでは青首が淡くて加工の際に歩留りがよい品種を発表して、そのラインアップを増やしています。

今回新発売する春ダイコン『トップランナー』は、晩抽※4で低温下での根の伸び、肥大に優れ、淡緑首で業務・加工向けにも適し、収穫、出荷作業が容易な品種です。冷涼地の1番まき(露地マルチ栽培)や中間・暖地の1〜2月まき(トンネル+マルチ栽培)でも抽苔の心配が少なく、安心して栽培していただけます。
タキイ種苗では、『トップランナー』を冷涼地での雪解け後1番まきや、暖地の2〜3月まき(マルチべたがけ栽培)での推進をすすめていきます。また、春ダイコンの肌の美しさなど品質のレベルアップや、形状の安定性の向上、播種期幅の拡大を目指します。栽培性と品質をベースに首色の薄いダイコンとして青果のみならず加工・業務用などお客様のニーズに対応したダイコンの品種育成をこれからも進めてまいります。
淡緑首のため青果・加工兼用として市場性が高い! 薄い首色は青果だけでなく、
業務・加工向けにも適します。
『トップランナー』は、
病気にも強く作りやすい!
◆『トップランナー』の主な特長◆
晩抽で低温伸長性にすぐれます
晩抽で低温下での伸長性もすぐれるため、1〜2月まきのトンネル栽培および冷涼地の4月まきのマルチ栽培に適します。
病気に強く作りやすい
萎黄病などの病害に強く、吸肥力が安定しているので、土壌適応性が広く作りやすい。
淡緑首で業務加工用にも適します
中間・暖地での2月まき(トンネル+マルチ栽培)で、根長38cm、根径7.5cm程度によくそろいます。 
肉質は緻密でス入りも遅く、首色は淡緑で、青果だけでなく業務・加工用にも適します。   
◆作型表『トップランナー』◆
作型表
◆価格◆
品種名 量目 希望小売価格(税込み)
トップランナー
1袋(約230粒) 577円
1缶(2dl) 15,435円
<注釈説明>
※1 淡緑首 首色が従来の青首ダイコンより淡く、緑色部分がうすい青首ダイコン。
※2 抽苔 気温や日長などにより花茎(かけい)(花を付けた茎)が伸び出すこと。「とうだち」ともいう。
※3 春ダイコン作付面積 農林水産省「農林水産統計」平成24年4月26日公表
「平成23年産春野菜、夏秋野菜等の作付面積、収穫量及び出荷量」より
※4 晩抽 抽苔の遅い性質のことで、品種差がある。ダイコンでは冬〜春まき栽培で特に問題となり晩抽性の品種が求められる。
資料:春ダイコンの作付面積推移、春ダイコンの都道府県別収穫量割合(農林水産省「農林水産統計」より)