■ネギの歴史と種類 |
ネギの原産地は不明ですが、中国西部あたりだと考えられています。元来、温帯の野菜ですが、耐寒性・耐暑性ともに強く、極寒のシベリアから華南など亜熱帯地方まで分布しています。中国では太ネギ・葉ネギ・中間型の兼用種と3群に分けられており、それぞれの地方から日本に導入され、今日の千住群・九条群・加賀群に分布したという説があります。
古くから親しまれてきたネギは御輿の飾りや橋の欄干の擬宝珠がネギの花(ネギの坊主)を型どって作られるほどです。関西では九条ネギを中心とする葉ネギ、関東では千住ネギや下仁田ネギを代表とする根深ネギが主流です。
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◆千住群・・・ |
明治初年には、金町村(現東京葛飾区)の特産として、白根の長い根深ネギとして栽培されていました。当初は、分けつ性のあるものが一本ネギに改良され、大正に入ってからは、赤柄・黒柄・合柄に分かれました。
例)一文字黒昇り、金長、石倉一本太、ホワイトスター、ホワイトソードなど。
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◆九条群・・・ |
約1,000年前から栽培され、明治に至るまで京都府紀伊郡東九条村(現京都市下京区)を中心に栽培されていました。元来分けつ性の葉ネギで、白根の部分は短いものです。
例)九条太、浅黄系九条など
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◆加賀群・・・ |
寒地系で冬季休眠するので、越年ネギとして利用されてきました。「岩槻」は分けつ性が強く、「下仁田」は非分けつ性で、軟白部は極めて短く太いネギです。
例)松本一本、余目(あまるめ)、下仁田など
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