タキイ種苗は新品種として、収量性が高く、濃緑・立性※1で葉先枯れ※2の少ない葉ネギ『京千緑』を新発売します。
かつては、西日本を中心に栽培されていた葉ネギですが、近年讃岐うどん店の全国チェーン展開や、お好み焼きやラーメンに青ネギをたくさんトッピングして提供する店が増えるなど、葉ネギの利用、栽培が日本各地で増えるようになりました。葉ネギは、用途などにより様々なサイズで出荷されており、栽培方法も雨よけハウスなどでの小ネギ栽培や、露地での移植栽培※3による中ネギ栽培※4、さらに水耕栽培などさまざまな栽培方法や作型がある中で、品種の分化も進んでいます。
また、近年“ゲリラ豪雨”や猛暑、酷暑、季節はずれの豪雪など異常気象ともいえる気象の変化が大きくなっており、周年生産されるネギは特に影響を受けやすい野菜の一つです。特に露地の中ネギの移植栽培産地では、栽培の安定性がより重要になり、葉折れや葉先枯れが少なく、収量性と秀品率※5が高いレベルで両立する品種が求められています。
今回新発売する『京千緑』は、生育が早く旺盛で、株の太りがよいため収量性が高い品種です。耐暑性や耐寒性が高く、低温伸長性も優れるため、秋から春どりで収量性の高さを生かした中ネギ栽培が最も適します。また、生育の早さを生かした小ネギの周年栽培にも適しています。さらに、葉は濃緑、立性で荷姿がよく、市場性があり葉折れや葉先枯れの発生が少なく、秀品率がすぐれるため、生産者にも出荷しやすい品種です。作りやすい品種ですので、産地はもとより直売所出荷用、家庭菜園でも幅広く作っていただけます。
タキイ種苗では、近年の異常気象によりネギの栽培が難しくなる中で、どこでも誰でも安心して葉ネギの栽培ができるような品種開発を続けていくと同時に、葉ネギのリレー出荷ができるよう、多くのネギがやや苦手とする盛夏期でも作りやすく、収量性の高い葉ネギの育成にも取り組みます。 |