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　タキイ種苗は、糖のひとつである“トレハロース”を主体としたトレハロース入り微量要素肥料『タキイ トレエース』を開発し、全国の種苗店などで本格販売を開始します。

　トレハロースは、糖のひとつで、キノコや海草、酵母、藻類など自然界の動植物、微生物に多く含まれています。砂漠に生息する植物、酵母をはじめ、昆虫のエネルギー源でもあり、また干しシイタケが水に戻るのもトレハロースを含有するためともいわれ自然界に広く存在します。トレハロースの特長として冷凍や乾燥から細胞を守る働きが知られており、食品、医療品、化粧品などの幅広い分野でも活用されています。

　今回新発売する『タキイ　トレエース』は、糖のひとつであるトレハロースを主原料とし、微量要素や有機酸^※1を含んだ肥料です。幅広い農作物に利用でき、栽培ストレスや環境ストレスによって引き起こされる障害を軽減し、植物体の健全な生育を促します。特にトレハロースは、作物において寒害対策、萎(しお)れ^※2軽減、鮮度保持などの効果が期待できます。
　 寒害への効果としては、トレハロースを植物細胞中に供給することで、細胞の氷点を降下させ、氷結晶の成長を抑制し、凍結のダメージを最小限にくい止めることが考えられます。早春の遅霜や低温により、作物の新芽等が傷つきやすくなりますが、『タキイ　トレエース』を事前に散布することで、生育・生長への影響が軽減されます。特に果樹やお茶の栽培で効果が期待されます。
　萎(しお)れの軽減では、細胞内に水をしっかりとキャッチし、つかまえた水は離しにくいという効果により、蒸散を抑制させるとともに、乾燥後の植物細胞やタンパク質の状態を安定させ、細胞の破壊などを最小限に抑えると考えられています。特に高温期、ホウレンソウやコマツナなどの葉物類の萎れ軽減に効果的で、作物の増収、品質の向上などが期待できます。
　また鮮度保持の面でも、呼吸により発生する活性酸素の影響を低減させることができ、作物の細胞を健全に保ち、デンプンの老化やタンパク質の性質変化を抑制する効果により、収穫後の萎(しな)び^※3や鮮度保持の向上などさまざまなメリットがあると考えられています。

　今後もタキイ種苗では、日本の農業と食を支える品種および資材の開発を手掛け、それぞれの地域や作物にあった使用方法を提案し、生産者の様々なご要望に応えていきたいと考えています。