タキイ種苗は、2014年の新品種として食味と秀品性にすぐれ、トマト黄化葉巻病※1耐病性の大玉トマト『桃太郎ピース』を発売します。
トマトは、タキイの「やさいの日」調査※2で「最も好きな野菜」として5年連続1位を獲得し、世代を超えて好まれる人気の野菜です。しかしながら、人気のトマトを栽培する環境は、以前にも増して厳しく、安定生産を維持していくことが難しくなる局面が増えています。その要因の一つに、盛夏期から栽培がスタートするハウス抑制栽培などにおける、タバココナジラミが媒介するトマト黄化葉巻病(TYLCV)の発生が挙げられ、生産者は対策に苦慮しています。
このトマト黄化葉巻病(TYLCV)は、1996年に長崎県、愛知県、静岡県で同時に発見され、その後ハウス栽培トマトの生産地で、急速に発生が拡大しました。沖縄県から東北南部まで(一部地域を除く)発生地域が拡大し、その中でも抑制栽培、促成栽培の産地を中心に、各地で被害が拡大しています。
国内では、西日本を中心に分布する「TYLCVイスラエル系」※3と東日本を中心に分布する「TYLCVマイルド系」※3の2種類のウイルスが報告されています。しかし、県や産地によって両方が存在するなど、その分布に境界線が引かれているわけではありません。トマト黄化葉巻病は、一度、地域に侵入すると根絶が非常に難しい病害で、施設内のトマトが全滅することもあります。トマト生産者の大きな減収要因となることもあり、TYLCVイスラエル系とマイルド系の両系統に安定した耐病性をもち、食味のよいトマトが求められています。
今回、新発売する『桃太郎ピース』は、国内で発生するTYLCVイスラエル系とマイルド系の両系統に安定した耐病性をもち、高温期に問題となる裂果の発生が少なく、硬玉で店もちがよい品種です。また、しっかりとした甘みと適度な酸味のバランスがよく、桃太郎系としてすぐれた食味を持ちます。トマト黄化葉巻病の耐病性をもち、すぐれた食味を追求した品種です。
今後、トマトの主力品種である『桃太郎』シリーズは、「栽培のしやすさ」と「おいしさ」の両立を目標に品種改良をおこなっていきます。 |