インフォメーション

2014.05.28
“トマト黄化葉巻病耐病性×消費者が求める味”にこだわった待望のトマト新品種 
『桃太郎ピース』を新発売
タキイ種苗は、2014年の新品種として食味と秀品性にすぐれ、トマト黄化葉巻病※1耐病性の大玉トマト『桃太郎ピース』を発売します。

トマトは、タキイの「やさいの日」調査※2で「最も好きな野菜」として5年連続1位を獲得し、世代を超えて好まれる人気の野菜です。しかしながら、人気のトマトを栽培する環境は、以前にも増して厳しく、安定生産を維持していくことが難しくなる局面が増えています。その要因の一つに、盛夏期から栽培がスタートするハウス抑制栽培などにおける、タバココナジラミが媒介するトマト黄化葉巻病(TYLCV)の発生が挙げられ、生産者は対策に苦慮しています。

このトマト黄化葉巻病(TYLCV)は、1996年に長崎県、愛知県、静岡県で同時に発見され、その後ハウス栽培トマトの生産地で、急速に発生が拡大しました。沖縄県から東北南部まで(一部地域を除く)発生地域が拡大し、その中でも抑制栽培、促成栽培の産地を中心に、各地で被害が拡大しています。

国内では、西日本を中心に分布する「TYLCVイスラエル系」※3と東日本を中心に分布する「TYLCVマイルド系」※3の2種類のウイルスが報告されています。しかし、県や産地によって両方が存在するなど、その分布に境界線が引かれているわけではありません。トマト黄化葉巻病は、一度、地域に侵入すると根絶が非常に難しい病害で、施設内のトマトが全滅することもあります。トマト生産者の大きな減収要因となることもあり、TYLCVイスラエル系とマイルド系の両系統に安定した耐病性をもち、食味のよいトマトが求められています。

今回、新発売する『桃太郎ピース』は、国内で発生するTYLCVイスラエル系とマイルド系の両系統に安定した耐病性をもち、高温期に問題となる裂果の発生が少なく、硬玉で店もちがよい品種です。また、しっかりとした甘みと適度な酸味のバランスがよく、桃太郎系としてすぐれた食味を持ちます。トマト黄化葉巻病の耐病性をもち、すぐれた食味を追求した品種です。

今後、トマトの主力品種である『桃太郎』シリーズは、「栽培のしやすさ」と「おいしさ」の両立を目標に品種改良をおこなっていきます。
“トマト黄化葉巻病耐病性と消費者が求める味”にこだわった『桃太郎ピース』
◆『桃太郎ピース』の主な特長
トマト黄化葉巻病イスラエル系・マイルド系に安定した耐病性を示します。
しっかりとした甘みと適度な酸味のバランスがよくすぐれた食味です。
高温期に発生する裂果も少なく高い秀品率を保ちます。
短節間で誘引労力が軽減できます。

◆栽培の要点
『桃太郎ピース』のトマト黄化葉巻病耐病性は、ウイルス増殖抑制型の無病微感染タイプのため、従来の耕種的防除と定期的な薬剤散布を組み合わせて、媒介するタバココナジラミの防除を徹底しましょう。

硬玉で店もちがよい『桃太郎ピース』
◆適期表 タキイ交配 トマト『桃太郎ピース』
適期表
◆価格
品種名 量目 希望小売価格(税込み)
桃太郎ピース 1000粒 37,800円
<注釈説明>
※1 トマト黄化葉巻病
(TYLCV)
タバココナジラミがトマト黄化葉巻ウイルスを媒介することによって発病し、上位葉の葉縁および葉脈間の黄化、葉巻、縮葉が顕著に現れます。これにともない、上位葉の小型化、葉柄の内側への巻き込み、節間の短縮、株の萎縮が見られます。このため、症状の現れた節位から上は茎・葉が全体に黄化し、著しく生育が抑制されます。発病株では、早期に落花(果)し、著しい減収となります。
※2 「やさいの日」調査 タキイ種苗が、8月31日の「やさいの日」にちなんで全国の20歳以上の男女(農業関連従事者除く)を対象に、「野菜」にまつわるイメージ評価や、野菜作り(家庭菜園/ベランダ菜園)の関心度、実践状況を2009年からインターネットで調査しています。
https://www.takii.co.jp/info/news_130831.html
※3 TYLCVイスラエル系
TYLCVマイルド系
日本国内で発生しているトマト黄化葉巻病ウイルスは、その病微の発現が激しいことから激症型と呼ばれるTYLCVイスラエル系と、比較的病徴の発現が穏やかなマイルド型と呼ばれるTYLCVマイルド系の2種類があり、現在は沖縄から東北南部にかけて(一部地域を除く)両系統が混在しています。