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2014.08.22
<秋の家庭菜園におすすめ>  “ベストセラー”から“ロングセラー”へ ダイコン『タキイ交配 耐病総太り』の軌跡 愛され続けて40年、日本各地に「青首ダイコンブーム」を巻き起こし「青首ダイコン=おいしい」というイメージ定着に貢献!
タキイ種苗株式会社(所在地:京都市下京区、代表取締役社長:瀧井傳一)が販売するダイコン『タキイ交配 耐病総太り』(以下『耐病総太り』)は、1974年に新発表され、今年で40周年を迎えました。

コメの『コシヒカリ』、ジャガイモの『男爵』など、日本人の食卓には欠かせない食材として長年愛されている品種があります。「おでん」の具やつけものに欠かせないダイコンにも、実は長年愛されている品種があります。1974年に新発表されたダイコン『耐病総太り』は、新発表から40年たった今も売れ続けているロングセラー品種です。

かつて、関東では練馬ダイコン、三浦ダイコンなどに代表される、首部の白い「白首ダイコン」が好まれ、中京・関西では、宮重ダイコンなど首部が緑色の「青首ダイコン」が好まれていました。しかし、ダイコン産地では、戦後の食糧増産や高度経済成長下で年間を通じて大量のダイコンを作付したことで、連作などによるさまざまな病気や生理障害が多発し、病気に強いダイコンが求められていました。

そのような中、タキイ種苗では、耐病性、栽培性、食味を兼ね備えた「青首ダイコン」の品種開発を進めていました。40年前の新発表記事によると「宮重ダイコンの検討を始めていたが、まずその必要性が高く、かつ急を要する゛総太り系”を手はじめとして、耐病性を重点に早どり安定を図り、しかも宮重(ダイコン)本来の煮食としての肉質を大切にした新品種を目標に」とあります。
1974年の新発表から1980年代半ばにかけて『耐病総太り』は、日本中に「青首ダイコンブーム」を巻き起こしました。生産者は「青首ダイコン」=『耐病総太り』、消費者は「青首ダイコン」=「おいしいダイコン」と認識したといえるでしょう。ダイコン『耐病総太り』という正式名こそ表には出ませんでしたが、消費者は「青首ダイコン」と呼ばれ歓迎されました。
『耐病総太り』という無骨な名前のダイコンが、今なお売れ続けるのはプロの生産者だけでなく、家庭菜園を楽しむ方など、誰もが求める「品質のよさ」があってのことでしょう。
タキイ種苗では、ダイコン『耐病総太り』だけでなく、トマト『桃太郎』、カボチャ『えびす』、ニンジン『向陽二号』など長年愛されている品種を開発してまいりました。今後も、末永く生産者や消費者に愛され続ける優良品種の開発を行ってまいります。
40年愛されているダイコン『耐病総太り』
新発表記事(1974年)
※タキイ種苗発行『園芸新知識』より
◆『耐病総太り』の主な特長
品質がよい
  甘みが非常に強く、歯切れのよい肉質でサラダとして食べてもおいしく、火を通しても煮崩れしにくく、漬物にしてもその食感は絶品です。
さらに切り干しダイコンとしてもおすすめです。

収穫期幅が広い
  中間地においては9月上旬〜下旬播きで
11月上旬〜2月上旬まで収穫できます。
「おでん」にも最適!
作りやすい
  ス入り※1、裂根などの商品価値を下げる生理障害の発生が、極めて少ない品種です。
ス入りや裂根は収穫遅れや不良環境下で発生しますが、 「耐病総太り」は、これらの要因に強いため、作りやすいのが特長です。
栽培のポイント
元肥を少なめとし、間引き後に葉色を見ながら追肥するとよいでしょう。追肥中心の施肥設計にすることにより生育をコントロールし、曲がりの発生を軽減します。
12月以降の収穫では不織布などの資材をベタがけして葉傷みや首部の寒害を防ぎます。
◆作型表 『耐病総太り』
作型表
◆価格
品種名 規格 参考小売価格(税込み)
タキイ交配 耐病総太り 小袋(約150粒) 459円
18ML 626円
2DL缶 6,156円
<注釈説明>
※1  ス入り ダイコンやカブの根身の中におきる異常の一種で、内部の細胞がだめになり、そのために空洞ができる。これをス入りという。収穫が遅れた場合や、何らかの障害で肥大が停滞した場合に起こりやすい。