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2014.12.22
<タキイ種苗>冬至(12月22日)に食べるカボチャには、半世紀愛されている品種があります。“おいしいカボチャ”の代名詞『えびす』、愛され続けて50年の軌跡

タキイ種苗が販売するカボチャ『タキイ交配 えびす』(以下『えびす』)は、1964年に新発表され、今年で50周年を迎えました。


日本には、四季があり、暑さ、寒さを乗り切るために食習慣の知恵があります。一年で最も夜が長くなる、冬至の日に「カボチャ」を食べると「かぜや中風にかからない」「福がくる」などといわれてきました。先人は太陽の恵みをたっぷり受けて完熟したカボチャを冬至まで保存し、緑黄色野菜の少ない冬場に備えたのです。
タキイ種苗では、栄養豊富で、和食・洋食を問わず、子どもから大人まで人気のカボチャの中で、半世紀にわたって支持される品種があります。1964年に新発表された『えびす』は、新発表から50年たった今も売れ続けているロングセラー品種です。
「煮付け」など様々な料理に最適!
「煮付け」など様々な料理に最適!

古くから日本料理には、京都の『鹿ケ谷カボチャ』に代表される日本種カボチャが使われていました。粘質でねっとりしていて、醤油との相性がよく、日本料理に向きます。かつては市場の主流でしたが、食生活の洋風化とともに日本種カボチャは姿を消し、現在はほとんどが、調理法の多い西洋種カボチャになりました。甘みが強く、粉質でほくほくした味わいです。『えびす』の誕生以来、西洋種のカボチャが次々と品種開発されてきましたが、半世紀にわたるロングセラーの『えびす』は “カボチャの代名詞”と言っても過言ではないほど長らく愛されてきました。

1964年に発行されたタキイの「園芸新知識」によると、「早春出荷は暖地における日本種に限られて来たが、近年中間地帯における洋種のトンネル栽培5月出しが著しく増加し、今後ますます伸びる勢いにある」。「早出しにも十分適応する洋種南瓜の優良交配種の育成に成功し、以来3年間にわたり試作した結果、(既存品種より)遥かに優良な早生経済品種として期待できるので長岡交配(現・タキイ交配)『えびす』南瓜として発表する運びとなった」。また、表題に『(既存品種)を断然引き離す待望の洋種』と記され、期待の高さが伺えます。

『えびす』が愛され続けているのには、消費者、生産者の双方に評価いただいているという理由があります。消費者からは、甘味が強くて味がよく、煮物にしても煮くずれしにくいため、幅広い料理に適している点、生産者からは、気候や栽培場所、作り方などで大きく左右されない作りやすさと、大玉で収量性が高いという点です。プロの生産者だけでなく、家庭菜園を楽しむ方などにも“作りやすくておいしい品種”として人気です。

タキイ種苗では、カボチャ『えびす』だけでなく、トマト『桃太郎』、ナス『千両二号』、ダイコン『耐病総太り』、ニンジン『向陽二号』など長年愛されている品種を開発してまいりました。今後も、末永く生産者や消費者に愛され続ける優良品種の開発を行ってまいります。

新発表記事(1964年) ※タキイ種苗発行『園芸新知識』より
新発表記事(1964年)
※タキイ種苗発行『園芸新知識』より
50年愛されているカボチャ『えびす』
50年愛されているカボチャ『えびす』