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2018.09.20

独立行政法人 国際協力機構(JICA)による
「2018年度第1回 中小企業海外展開支援事業」に採択されました

独立行政法人 国際協力機構(以下、JICA)の「2018年度第1回 中小企業海外展開支援事業」において、タキイ種苗が提案した「高品質種子と接ぎ木育苗技術による野菜の高付加価値化と生産性向上事業案件化調査」が採択されました。タキイはこの採択を機に、カンボジア国内での安心・安全な野菜の生産の拡大と、野菜の安定供給に貢献していきます。

近年カンボジアでは、特に都市部の経済成長に伴って消費が伸長しており、野菜の国内消費も拡大する傾向にあります。また、野菜のニーズは安心安全を求め、特に中間層〜高所得者層において、より拡大しています。

しかし、カンボジア国内の土壌病害の問題を始めとして、自国内で野菜生産に制約があり、野菜消費量の年間60%を輸入に頼っていると言われています。また、土壌病害が多発する雨季にはさらに輸入依存率が上がっているのが現状です。カンボジア農業開発研究所の調査によると、プノンペン市内の主要な市場で販売されているトマトの90%近くがベトナムから輸入されており、国内産は5%に過ぎません。また、輸入の割合が大きくなっている理由として、流通体制が未整備で、貯蔵施設なども不足しており、青果物の一元的な集荷管理ができず、品質が安定しないため安定供給できないことや、生産者の栽培知識も限られていることなどが挙げられます。

そのため、今後カンボジアが目指していく“生産から流通、消費者までをつなぐ国内のバリューチェーンの構築”において、タキイは、同国の消費者が求める品種の提供とそれを栽培するために、土壌病害の回避につながる台木の利用、接ぎ木育苗技術のノウハウなどを伝えることで、生産者が安定的に野菜を生産・供給できるよう寄与していきます。

タキイとして、JICA事業による海外事業展開は初めての試みとなりますが、海外での社会的貢献活動として成長を続ける東南アジア地域で、産学官連携において新たな事業拡大を進めていきます。

  • ※独立行政法人 国際協力機構(JICA)
    https://www.jica.go.jp/
  • ※2018年度第一回中小企業海外展開支援事業について
    https://www.jica.go.jp/press/2018/20180816_01.html
  • ※接ぎ木とは
    寒さや病気に強くするためや、土壌病害を防ぐため、生育を強くして収量を増やすなどの目的で、病気に強く生育旺盛な品種を台木にし、穂木(台木に接がれる部分)とつなぎ合わせます。果菜類ではトマト・ナス・スイカ・キュウリなどで広く行われており、接木した苗を接木苗と言います。