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2019.12.26

旬の野菜の楽しみ方を再発見!
タキイ種苗×日本野菜ソムリエ協会特別企画
ダイコン・ニンジンの品種食べ比べ座談会を開催

タキイでは広く一般に流通する野菜の品種ごとの魅力を改めて知っていただくために、2019年12月12日に東京築地の日本野菜ソムリエ協会にて「タキイ種苗×野菜ソムリエ 青果物品種座談会」を開催しました。
これは日本野菜ソムリエ協会の協力企画のもと、3名の野菜ソムリエプロに、ダイコン「耐病総太り」「冬どり聖護院」、ニンジン「向陽二号」「オランジェ」の2品目4品種を食べ比べいただき、その味、香り、食感の比較や批評を座談会形式で行ったものです。野菜ソムリエの方々には事前に青果サンプルを送付、予め調理をしていただき、当日は生食のほか、煮る・焼く・蒸すの中から最も適するものを選び、よりおいしく食べるための調理法も提案いただきました。また、ダイコンは部位ごとの食べ比べ、ニンジンは生搾りジュースの飲み比べも行い、多角的な視点でその特徴を深掘りしました。
その様子の一部をご紹介します。

座談会は実際に試食をしながら行われた。
左上から「耐病総太り」上生、蒸し、下生、蒸し。
「冬どり聖護院」上生、焼き、下生、焼き。
「オランジェ」生、蒸し、「向陽二号」生、蒸し。

ダイコン

●「耐病総太り」〜一本で三度おいしい愛されるダイコン〜

●外観

「太さが均一で調理しやすそう」。太さが均一だと分けやすく調理の火も通りやすいので使いやすいと高評価。

●部位ごとの食べ比べ

上部は甘く肉質やわらかく、下部はかためでアブラナ科臭と辛みが出る。「思った以上にはっきりと違いが出た」と驚きの声が。上部はサラダ、中部は煮物、下部はダイコンおろし……と1本で使い分けができるまさしく「一本で三度おいしいダイコン」。

●調理法(蒸す)

蒸すことで旨みが凝縮され甘みが引き立つ。茹でる場合は旨みが煮汁に出てしまうので煮汁ごと食せる鍋や煮物をおすすめしたい。

「耐病総太り」左「蒸し」、右「生(非加熱)」。

<総評>

特に野菜ソムリエの方々に驚かれたのが、「耐病総太り」のみずみずしさ。均一な太さで調理もしやすく、くせがなく食べやすいスタンダードな愛されるダイコンとの評価でした。

●「冬どり聖護院」〜煮物だけじゃない?!可愛いフォルムで意外な魅力が〜

●外観

すべすべした手触りと丸いフォルムが「可愛い」。持ち上げた時に見た目以上の重量を感じた。総じてどんな調理ができるかわくわくした気持ちにさせられる素材。

●部位ごとの食べ比べ

「耐病総太り」と同様、上部は甘く下部は辛い。また、外側と内側(中心部)でも違う。内側の肉質は緻密で滑らか「シルキー」な食感でフルーツのようなみずみずしい甘みがある。外側は硬く特に皮は硬い。しびれるくらいの苦みがあり、内外の違いが大きい。

●調理法(焼く)

焼くと糖分が高いせいか香ばしさが出る。カラメルのような風味があり、噛みしめるとダイコンの旨みがじゅーっと出る。生だと「耐病総太り」より「聖護院」の方が水分少なく感じるが、焼いた時に旨みの汁が出てきておすすめ。

「冬どり聖護院」左「焼き」、右「生」。

<総評>

関西では煮物やおでんなどに使われる「聖護院だいこん」ですが、意外なことに焼いた時のおいしさに注目が集まりました。ほかには、丸い外部を器にして麻婆ダイコンとして食べるなど一つまるごと楽しむ提案も飛び出し、「煮物で食べる」というイメージを覆す新たな魅力を掘り出していただきました。

ニンジン

●「向陽二号」〜ニンジンの代名詞くせのない甘みで食べやすい〜

●外観

ニンジンの標本のような円錐形と鮮やかなオレンジ色。色形よく生産者にとっても育てやすいニンジンなのではないかと推察される正統派なニンジン。

●調理法(蒸す)

生だと軽やかな甘みと多少のニンジン臭さがある。蒸すとニンジン臭さが消えて甘い香りがたち驚くほどくせがなくなり上品になる。焼くと香ばしさが出るので、この甘い香りを楽しむなら「蒸し」がおすすめ。

●ジュース

ジュースにすると意外なまろやかさが出た「ミルキー」な感じ。

「向陽二号」上「生」、下「蒸し」とジュース。

<総評>

ニンジンらしい色形と、甘み、くせのない食感でどんな食材ともけんかをしない。正統派な魅力が評価されました。また、ジュースにするとまろやかで、ケーキやポタージュスープなど牛乳を使った料理に合うのが意外な魅力だと驚かれていました。

「オランジェ」〜鮮やかなオレンジ色と柑橘のような風味が個性的〜

●外観

まるでピーターラビットの絵本に出てくるような可愛らしいニンジン。赤みのある鮮やかなオレンジ色が特徴的。色味から機能性成分や栄養の高さを想像させる。

●調理法(生)

かじったときに鼻に抜ける柑橘のような風味、かたいコリコリとした食感で「向陽二号」より生で食べやすい。
蒸すと甘みもでるけど、この風味や鮮やかなオレンジ色を楽しむなら生がおすすめ。

●ジュース

ミルキーな「向陽二号」に対してこちらの味わいは「フルーティ」さわやかで独特な風味が口に残る。ジュースも赤みの強いオレンジ色で一目で差別化ができる。

<総評>

「向陽二号」と比して「オランジェ」は今までのニンジンとは一味違う「個性的な」ニンジンという感想でした。機能性や見た目の美しさを生かしてサラダなどのニンジンが主役になる料理に向く。また、フルーティな風味を生かして柑橘との取り合わせもよいと、その個性に高い評価をいただきました。

「オランジェ」上「生」、下「蒸し」。
「オランジェ」ジュース。

全体の印象をお聞きすると、「思った以上に品種ごとの違いがでました」と野菜ソムリエの方々も皆一様に驚かれた様子。当日は出席いただいたメディアの方々にも試食いただきながら、座談会を進行しましたが、実際に香りや味、食感を確かめながらその違いを実感していただけました。スタンダードから個性派まで幅広いタキイ野菜の魅力を新たに発見する企画となりました。
今後ともタキイでは、生産者、市場、消費者に愛される品種開発を目指すとともに、野菜のおいしさ、栄養などの魅力を広める取り組みも行って参ります。