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2020.07.17

農業資材メーカー(株)誠和と
ナスの多収化栽培技術確立のための共同研究を開始
〜単為結果性省力化品種のナス『PC筑陽ちくよう』での多収化栽培技術の確立を〜

タキイ種苗と、農業資材メーカー(株)誠和(以下、誠和 本社:栃木県下野市、代表取締役:大出祐造)は、ハウス栽培におけるナスの多収化栽培技術の確立のための共同研究として、2020年8月から誠和の研究農場「リサーチパーク鶴」において、タキイ種苗が品種開発したナス『PC筑陽』の栽培を開始します。

現在、農業分野では、担い手不足や農業生産技術の高度化の流れの中、ハウス栽培などの作物の収穫量増加や、品質向上を目的とした、施設園芸の高度な環境制御(温度・CO2・湿度・光・気流速などを管理)の普及が進んでおり、特に多収化技術が普及しているトマトやレタスなどは、栽培延べ面積は過去25年間で概ね維持できています。一方で、多収化技術が確立しておらず、高度な環境制御技術の導入も進んでいないキュウリ、ピーマン、イチゴなど多くの作物は軒並み減少しており、生産量、出荷量についても減少傾向にあります。ナスについても同様であり、過去25年間における栽培延べ面積は34%の減少となっており、国内供給に対する不安は増してきています。

今回、栽培延べ面積が減少する中でも生産量を維持すべく、誠和がトマトで培ってきた環境制御技術を用いた多収化栽培技術を応用し、単為結果性(受粉しなくても果実が着果・肥大する性質)をもつ省力化品種のナス『PC筑陽』での多収化栽培技術の確立を目指すため、共同研究に取り組みます。

研究栽培は、誠和の本社敷地内にある研究農場「リサーチパーク鶴」で行い、スマート農業技術も活用して、データ化を進めてまいります。また、栽培環境データについては誠和の「プロファインダークラウド」上にて公開し、ナス栽培生産者へ有益な情報をリアルタイムでお届けできるよう計画しています。

今後、タキイ種苗と誠和は両社の強みを活かし、施設園芸におけるナスの生産量を維持・向上させるべく共に栽培研究に取り組んでまいります。

単為結果性をもち、着果促進処理が不要な品種:ナス『PC筑陽』
ナスの共同研究を行う「リサーチパーク鶴」の高度環境制御ハウス外観

◆株式会社誠和

本社所在地
栃木県下野市柴262-10
代表者
代表取締役 大出祐造
事業内容
(1) 施設園芸用の環境制御機器、養液栽培システム、省エネ・省力機器の製造販売
(2) 大規模プラントの開発、製造、販売
(3) 流通事業構築
売上高
59億円(2019年4月期)
従業員数
183名(2020年7月現在)
https://www.seiwa-ltd.jp/

◆PC筑陽

特長

●高い単為結果性で着果作業を省力化
高い単為結果性を示すので、ホルモン処理や虫媒による受粉がなくても、安定的に着果肥大する。
※冠名のPCはparthenocarpy(単為結果)にちなみます。
台木用ナスに接いでも単為結果性は発揮されます。
●トゲなしで作業性にすぐれる
果実のヘタや茎葉など、植物体すべてにトゲがほとんどない長ナス品種。
トゲがないので、管理作業や収穫、袋詰めでの作業性の向上が見込め、ヘタのトゲによる荷傷み(傷果)が少なくなる。
●果ぞろいがよく、秀品率が高い
果形は「筑陽」と同等のボリュームのある太長果形。
石ナスや曲がり果の発生が少なく、果ぞろいにすぐれ、秀品率が高い。
果色は濃黒紫色で、つやがよく、色ボケ果の発生が少ない。
●やわらかな肉質で食味がよい
果皮はやわらかで品質がよく、炒め物や煮物、焼きナス、漬物などに適し、用途の幅が広い。
省力化品種のナス『PC筑陽』