インフォメーション
2022.03.10
20代・30代が家庭菜園にかける年間使用金額は、平均18,241円!
若者にとっての家庭菜園「手間がかかる」が、「癒される」!
「癒しが欲しくて家庭菜園を開始」が2割。20代は約1割が「おしゃれ」「かわいい」イメージ
「虫」に困っている人は約4割も、「家庭菜園を通して虫をかわいいと思えた」という声も
タキイ種苗は、春に栽培する野菜の種まきに最適なシーズンを前に、若年層(20代・30代)を対象にした「春の家庭菜園に関する調査」を実施しました。
コロナ禍の影響で在宅時間が増えた中、若年層にとっての「家庭菜園」の現状と課題など、2017年に行った調査結果と比較しながら、その変化や実態を明らかにします。また、春の種まきシーズンに向け、より多くの方に家庭菜園を楽しんでいただけるよう、今回の調査結果とあわせて、「種のプロ」である種苗会社ならではの「家庭菜園のコツ」をご紹介いたします。
若年層の「家庭菜園」調査結果TOPICS!
20代・30代の約半数が「家庭菜園」経験者。満足度は8割以上!
◆ 現在は実施していない人も、46.3%が「家庭菜園の実施・再開」の意向あり!
「今年はやってみよう(再開しよう)」(11.6%)、「今年かどうかわからないがやってみよう(再開しよう)」(34.6%)を合せると、若年層の約半数(46.3%)が家庭菜園開始(再開)の意欲があることがわかりました。
◆ 家庭菜園は「手間がかかる」イメージが大きい一方、「癒される」の声も
若年層は「手間がかかる」(49.7%)、「知識が必要」(39.3%)、「難しい」(26.6%)など、家庭菜園に敷居が高いイメージを抱いている一方、「癒される」(24.8%)、「リラックスできる」(24.1%)も約4人に1人が回答。20代からは「おしゃれ」なイメージを持つ人が1割以上いることがわかりました。
◆ 若年層は「コロナ禍以降に家庭菜園を開始」した人が多数派
家庭菜園の継続期間が「3年未満」の人が69.0%で、在宅時間増加などの影響が明らかに。
◆ 若年層を最も悩ませているのは「虫」!忙しい世代ならではの困りごとも
家庭菜園での一番の困りごとは「虫がつくこと」(39.7%)。「忙しくて十分な管理ができない」(18.7%)など、仕事や家事育児などに忙しい世代ならではの声も寄せられました。
◆ 年間の平均使用金額は18,241円で、理想は21,323円!男性は女性の倍以上かけている!
家庭菜園にかける年額平均は18,241円(男性:25,460円、女性:11,023円)で、男性が女性の倍以上となりました。理想は21,323円と、「もっと家庭菜園にお金をかけたい」若年層が多いことが明らかに。
1. スクリーニング調査
スクリーニング調査は、人口構成比(エリアごとの性別・年代の人口統計/国勢調査参照)に合わせて8エリアで割付設定した20・30代の10,000人を対象に実施することで、より正確に日本全体の市場を縮図化した数値を導き出しました。
また、本調査における「家庭菜園」とは「ベランダ・プランター・キッチン菜園、または庭や畑あるいは市民農場を借りて等、程度は問わず家族で野菜を育てること」と定義します。
※スコアの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります
① 20代・30代の約半数が「家庭菜園経験者」!
家庭菜園の経験では、「現在、家庭菜園で野菜を作っている」(12.4%)と「現在は作っていないが過去に作ったことがある」(32.8%)を合わせて45.2%と、約半数が「家庭菜園の経験がある」ことがわかりました[図1]。
住宅形態別にみると、特に「戸建て持ち家」の人は54.8%と経験率が高く、5割を超えています。「分譲マンション」(42.5%)、「賃貸マンション・アパート」(38.5%)は、ともに約4割となりました。
② 家庭菜園は「自宅の庭・畑」での実施率が高く、「ベランダ・屋上」も3割以上
家庭菜園実施者が野菜づくりを行っている場所で最も多いのは「自宅の庭や畑」(53.6%)で、2位の「自宅のベランダや屋上」(33.8%)も3割を超えています。
2017年の「自宅のベランダや屋上」の結果(20代:25.0%、30代:18.5%)と今年の結果を比較すると、大きく増加していることがわかります。若年層の方が戸建て比率が少ない中、自宅に庭や畑がなくても身近なスペースで家庭菜園に取り組む様子がうかがえます[図2]。
③ 現在実施していない人も、46.3%が家庭菜園に意欲的!
現在、家庭菜園を行っていない人でも、11.6%が「今年はやってみよう(再開しよう)」、34.6%は「今年かどうかはわからないがやってみよう(再開しよう)」と思っていると回答。合わせて46.3%が家庭菜園の実施意向があることがわかりました。
2017年の実施意向(20代:45.6%、30代:43.0%)からは微増で、若年層の家庭菜園実施意向は引き続き高いことがわかります。ニューノーマルでの生活とも相性のいい家庭菜園に関心を抱く若年層は増加傾向にあるようです[図3]。
2017年の実施意向(20代:45.6%、30代:43.0%)からは微増で、若年層の家庭菜園実施意向は引き続き高いことがわかります。ニューノーマルでの生活とも相性のいい家庭菜園に関心を抱く若年層は増加傾向にあるようです[図3]。
(現在、家庭菜園を行っていない人 n=8,682)
④ 家庭菜園を始めるハードルは「管理が大変」「スペース・時間がない」。女性は「虫」も
「特に家庭菜園をやる予定はない」と回答した人にその理由を聞いたところ、「水やりなどの管理が大変だから」(37.9%)が最も大きなハードルとなっているようです。2位「家庭菜園を行えるだけのスペースが無いから」(31.0%)、3位「家庭菜園を行う時間が無いから」(27.1%)と、上位には仕事や育児などに忙しい若年層ならではの理由が並びました。
4位の「虫が苦手だから」(全体:26.5%、女性:38.5%)、7位「害虫対策が大変だから」(全体:20.5%、女性:27.5%)は、特に女性で割合が高く、虫が大きなハードルになっていることがうかがえます。また男性では「当てはまるものはない」(全体:23.4%、男性:32.3%)と回答した人が多く、特にハードルを感じていない人もいるようです。[図4]。
⑤ 家庭菜園に敷居の高いイメージを抱く人が多い一方、約4人に1人は「癒される」と回答!
若年層が家庭菜園に抱くイメージで最も多いのは「手間がかかる」(49.7%)で、約半数が回答しています。2位「知識が必要」(39.3%)、3位「時間がかかる」(32.0%)、4位「難しい」(26.6%)と、家庭菜園に敷居の高いイメージを持っている様子がうかがえる項目が上位に並びました。女性30代では「手間がかかる」(56.9%)、「知識が必要」(46.8%)、「難しい」(32.9%)が全体より高い割合となっており、家庭菜園への敷居の高いイメージが特に強いことがわかります。
一方、5位「癒される」(24.8%)、6位「リラックス・リフレッシュできる」(24.1%)といったイメージも約4人に1人が回答。「育てるのは大変そう」というイメージがある一方で、家庭菜園に癒される人が一定数いることがうかがえます。「おしゃれ」(8.9%)、「かわいい」(8.8%)も約1割が回答し、特に20代は「おしゃれ」(男性20代:12.6%、女性20代:10.9%)なイメージを持っている人が1割を超える結果となりました[図5]。
2. 本調査
【調査概要】
- ・調査対象:
- 20〜39歳の男女で、スクリーニング調査で「家庭菜園を現在、実施している」と回答した中から右記の割付で抽出した300名
- ・調査手法:
- インターネット調査
- ・調査日程:
- 2022年2月10日(木)〜2月13日(日)
※スコアの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります
① 「癒しを求めて」家庭菜園を始めた人が約2割。「面白そうだったから」が多数
家庭菜園を実際に始めた理由は、「自分で食べる野菜を自分で作るのが面白そうだったから」(42.7%)、「家計節約のためには(少しでも)自分で野菜を作るのが良いと思ったから」(24.0%)、「趣味のひとつとして野菜づくりは適していると思ったから」(22.7%)、「野菜づくりなどの農作業に興味があったから」(22.0%)、「野菜づくりができるような空いている庭や環境があったから」(21.3%)が上位に並びました。
6位には今回の新規選択肢「野菜を育てることで癒しが欲しかったから」(19.7%)が約2割でランクインしています。3位「趣味のひとつとして」とあわせ、家庭菜園に楽しみや癒しを求める様子がうかがえます。
家族構成別にみると、一人暮らし層では「安全・安心のためには(少しでも)手作りの野菜がいいと思ったから」(全体:11.0%、一人暮らし:17.7%)、「在宅時間の増加で家の中やベランダ、庭に緑が欲しくなったから」(全体:9.7%、一人暮らし:16.1%)、「家庭菜園やベランダ菜園はオシャレだと思ったから」(全体:7.3%、一人暮らし:16.1%)の割合が高く、オシャレさなど、若年層の一人暮らしに支持されている側面が浮き彫りになりました。
性年代別にみると、男性20代では「家庭菜園やベランダ菜園はオシャレだと思ったから」(16.0%)は8.7ポイント、「運動不足の解消に良いと思ったから」(14.7%)は6.7ポイント全体より高くなっています。女性20代では「在宅時間の増加で家の中やベランダ、庭に緑が欲しくなったから」(17.3%)が全体より7.6ポイント高く、長い時間を過ごす自宅に彩りを求めている人が多いようです。女性30代では「安全・安心のためには(少しでも)手作りの野菜がいいと思ったから」(16.0%)が5ポイント、「野菜づくりは子どもの教育のためにも良いと思ったから」(24.0%)が7.7ポイント全体より高く、親目線や家族を想う気持ちが動機となることが他の性年代より多いことがわかりました[図6]。
② 若年層はコロナ禍以降に始めた人が多い家庭菜園。約7割が継続年数「3年未満」
「家庭菜園の継続年数は、「1年未満」(30.0%)、「1〜3年未満」(39.0%)の合計が69.0%と、「3年未満」が約7割となりました。若年層ではコロナ禍以降に家庭菜園を始めた人が中心となっていることがわかります[図7]。
家族構成別にみると、一人暮らし層ではさらにその割合が高まり、「3年未満」の人が80.6%にものぼることがわかりました。在宅時間の増加で、一人で過ごす時間のお供に家庭菜園を選択する人が増加しているようです。
■図7 「家庭菜園の継続年数」(全体 N=300)
③ 家庭菜園で育てている野菜も、今後挑戦したい野菜も、人気No.1は「ミニ・中玉トマト」!
「現在育てている野菜ランキング」では、1位「ミニ・中玉トマト」(57.7%)、2位「キュウリ」(33.7%)、3位「なす」(26.0%)、続いて「しそ(大葉)」と「ネギ」が24.3%で同率4位となりました。家庭菜園の定番野菜が上位にランクインしています[図8]。
自由回答を見てみると、リボーン・ベジタブル(リボベジ)としても人気の「豆苗」が多くの回答を集めました。部屋の中で育てられる点や土が不要な点など、育てやすさも人気の理由だと考えられます。また、「いちご」を育てている人も多く、小さなスペースで育てることができる人気のフルーツも多くの人に選ばれているようです。
「今後挑戦してみたい野菜ランキング」でも「ミニ・中玉トマト」(18.7%)が1位となり、高い人気が明らかになりました。2位「しそ(大葉)」(17.3%)、3位「枝豆」(16.0%)、4位「なす」(15.7%)、5位「ピーマン」(14.7%)となり、家庭菜園継続年数の短い若年層は、まずは定番の野菜から育てたいと感じている人が多いようです [図9]。
(全体 N=300)
(全体 N=300)
④ 「育てやすさ」が決め手!「料理に使える」「虫がつきにくい」こともポイントに
育てる野菜の決め方のトップ3は、「育てやすい品種を選ぶ」(49.7%)、「あまり手間のかからないものを選ぶ」(36.0%)、「自分もしくは家族が好きな野菜を選ぶ」(33.7%)で、2017年の結果と同様の項目が並びました。一方、同率3位には今回の新規選択肢「料理によく使う野菜を選ぶ」(33.7%)がランクイン。約3人に1人は、育てる楽しみに加え、料理に生かしたい傾向があるようです。5位は「虫がつきにくいもの」(25.7%)となり、若年層の悩みが反映されています。
■図10 「家庭菜園で育てる野菜をどのように決めているか」(全体 N=300)
性年代別にみると、男性20代では「種から育てるものを選ぶ」(全体:11.0%、男性20代:16.0%)、「なるべく『大変そう』なものを選ぶ」(全体:3.7%、男性20代:9.3%)の割合が全体よりも高く、「一から育てたい」「じっくり取り組みたい」という本格志向もうかがえます[図10]。
⑤ やりがいは「育てる喜び」!「癒し」「リラックス・リフレッシュ」効果も高評価
家庭菜園をやっていてよかったと思うことを尋ねると、1位「育てる喜びを知ることができた」(39.0%)、3位「季節や自然に関心が深まった」(23.3%)、4位「新しい趣味ができた」(22.0%)は、2017年家庭菜園調査の20〜60代の結果上位と同じ傾向となりました。今回の新規選択肢「毎日育っていく野菜を見ることで癒された」(29.0%)は2位にランクインしており、若年層では家庭菜園で得られる癒しやリラックス・リフレッシュ効果にやりがい感じている人が多いようです。同率5位には「野菜が好きになった」もランクインしています[図11]。
■図11 「家庭菜園をやっていてよかったと思うこと」(全体 N=300)
⑥ 家庭菜園の困りごと、「虫」が最多!育て方に関する悩みも多い。
家庭菜園に取り組む中で困ったことは、1位「虫がつく」(39.7%)が最多で、虫の悩みは大きいことがここからもうかがえます。2位「うまく育たない」(35.7%)、3位「思った以上に手間がかかる」(30.3%)、4位「わからないことが多い」(24.7%)、5位「思ったほど収穫できない」(23.3%)と、育てる中での試行錯誤や難しさに困った経験のある人が多いようです。2017年(20〜60代)の結果と傾向は変化しておらず、年代に関わらず同じトラブルに困っていることがわかりました。
一方、今回の新規選択肢「忙しくて十分な野菜の管理ができない」(18.7%)は6位、「途中で面倒になり、栽培を諦めてしまった」(14.3%)が7位など、仕事や家事育児に忙しい20、30代の悩みが垣間見える結果となりました[図12]。
■図12 「家庭菜園をやっていて困ったこと」(全体 N=300)
自由回答では「獣に食べられる」、「長期間留守にすると萎びている」といった声が寄せられ、自然を相手にする家庭菜園ならではの悩みが感じられます。
⑦ 挑戦してみたいこと1位は「水耕栽培」!「リボベジ」「機能性野菜」などにも高感度な若年層
今後、家庭菜園で挑戦してみたいことについては、「水耕栽培」(28.0%)が約3割で1位となりました。続いて2位「ブロッコリーやもやしなどのスプラウト類」(24.3%)、3位「グリーンカーテン」(22.3%)という結果になりました。4位にはフードロス削減にも貢献する「リボーン・ベジタブル」(17.7%)、5位は栄養素を手軽に摂取することができる「機能性野菜」(14.0%)と、野菜を巡る最新トピックスが上位に反映されている形となり、若年層の関心の高さがうかがえる結果となりました。
土を使わない「水耕栽培」が人気の一方、6位「ビニールハウスを使って野菜を育てる」(13.3%)ことに挑戦したいという本格派も約1割いることがわかりました[図13]。
■図13 「家庭菜園で挑戦してみたいこと」(全体 N=300)
⑧ 約8割が、「家庭菜園に満足している」!
家庭菜園の満足度では、「とても満足している」(25.0%)、「やや満足している」(57.0%)の合計が82.0%となりました。若年層も大多数が家庭菜園に満足していることがわかります[図14]。
一人暮らし層ではさらに満足度が高くなり、85.6%もの人が「満足」と回答。自分だけの家庭菜園づくりの達成感や、癒しを感じられることなど、さまざまな要因が考えられます。
満足度の理由では「話のネタにもなった」、「家族の時間が楽しくなるから」などの人とのコミュニケーションや家庭での時間が豊かに、プラスに働いているという声や、「環境問題に貢献していると思えたから」、「実際に育て収穫することで食材の有難みがわかったから」といった学びを感じられる点に満足している声が寄せられました。「成長をみるのが楽しかった」、「どんどん成長するのが可愛かった」など、「マイ家庭菜園」への強い愛が感じられる声も寄せられています。また、若年層を悩ませる「虫」について、「他ではできない経験で楽しかったし、虫を可愛いと思えた」という、「虫」をも前向きに捉える声もありました。
■図14 「家庭菜園の満足度」(全体 N=300)
<満足度の理由 自由回答(抜粋)>
・「リフレッシュになり、話のネタにもなった」
・「生活にメリハリができた」
・「環境問題に貢献していると思えたから」
・「気分転換になり、良い運動にもなった」
・「狭くてもうまく出来た」
・「成長をみるのが楽しかった」
・「どんどん成長するのが可愛かった」
・「季節と自然を相手にすることを日々実感できる点」
・「収穫を子供がとても喜んでいたから」
・「土いじりをする機会はなかなかなく、野菜を育てることを通して家庭菜園のことはもちろん、虫や雑草についても学ぶことができたから」
・「他でできない経験で楽しかったし、虫を可愛いと思えた」
・「家族の時間が楽しくなるから」
・「実際に育て収穫することで食材への有難みがわかったから」
⑨ 家庭菜園にかけている金額は、年間18,241円。理想は21,323円!
男性は女性の倍以上の金額を家庭菜園にかけていることが判明
この一年間で家庭菜園にかけている(過去にかけていた)金額では、全体では18,241円であったのに対し、一年間で家庭菜園にかけたい理想の金額では21,323円と、3,082円の差額があることがわかりました。金銭的に家庭菜園の理想を叶えられていない状況にある人がいることがうかがえます。
男女別でみると、「男性」(一年間でかける金額:25,460円、理想:29,208円)は女性(同:11,023円、同:13,438円)の倍以上の金額を家庭菜園にかけていることが明らかになりました。また、女性は理想との差額が2,415円であるのに対し、男性は理想に3,748円届いておらず、希望する家庭菜園の形にはまだ届いていないと感じている男性が多いようです[図15]。
■図15 「家庭菜園にかける金額の現状と理想」(全体 N=300)
【 種のプロ!タキイが伝えたい「家庭菜園・プランター栽培」のコツ 】
自宅で気軽に取り組むことができ、20代・30代の経験者の満足度は8割以上の「家庭菜園」。
調査結果で「困ったこと」1位に挙げられた「虫」対策をはじめ、管理に必要な基本的な知識を得ることで、上手で快適な家庭菜園を実践することができます。
ここでは、初めての家庭菜園でも取り組みやすく、広い庭や畑がなくても、ベランダなど小さなスペースで簡単に新鮮な野菜づくりが楽しめる「プランター栽培」のコツをお伝えします。
◆ 一番の悩み「虫」を、農薬を使わずに防ぐには?
最も手軽でシンプルな方法は「防虫ネット」
● 種まきしてすぐに防虫ネットを被せること
● 外から虫が入らないよう、しっかりと囲むこと
● 水やりは防虫ネットの上からでOK!
◆ 最初が肝心!「土」と「種のまき方」で、良い「はじめの一歩」を踏み出す!
作物は「土」が命!
● 野菜用に調整された培養土(野菜の土)が最適
● 基本的な肥料分(チッソ、リン酸、カリ)が混ぜ込まれたものを選ぶ
● 作物や環境に合わせて、培養土を変える
➞野菜の土、プランターの土、など
野菜によって種まきの深さが違う!
● 光があった方が発芽促進される好光性の種、光が無い方がいい嫌光性の種など、種の特性をチェックし、種をまく深さに気を付けましょう。
● 葉物の種のまき方は、間引きがしやすく、栽培管理がしやすい、「すじまき」がおすすめです。直線状にまき溝を作り、1cm間隔でまきます。
◆ 「日当たり」と「温度」を知ると、「今、自分の家庭菜園に適した野菜」がわかる!
1日中、日が当たる場所が理想だが…
● 生長に必要な光合成のため、日当たりは大切な条件ですが、野菜によって少ない日光でも作ることができるものがあります。
● 半日でも日光が当たれば育つ野菜(葉もの野菜など)、日陰でも作れる野菜(三つ葉、ミョウガなど)もあるので、日当たりの悪いベランダでも諦めず、環境に適した野菜づくりを楽しむことができます。
野菜にはそれぞれ「適した温度」がある!
● 野菜は原産地の気候を好みます。生育適温(生育に適した温度)でないと、野菜は上手に育つことができません。
● 実のなる野菜(果菜):春〜夏(高い温度)
● 葉と根を食べる野菜(葉菜・根菜):春、秋冬(15〜20℃)
タキイの種袋には「発芽適温」や「生育適温」が載っているので、ぜひ参照してください。
◆ 初めてでも失敗しにくい、生育期間の短い野菜!
1〜2ヵ月で収穫できる、生育期間の短い野菜は育てやすく、おすすめです。
➞小松菜、ほうれん草、リーフレタス、二十日ダイコンなど
間引き(葉が込み合ったところを抜く作業)をしましょう。
間引きした葉は、ベビーリーフ(10〜15cmくらいの大きさ)として楽しみます。
◆ いざ挑戦!苗から育てるプランター栽培(ミニトマト)の手順 ◆
① 苗を植え付ける(4〜5月)
プランターの底に鉢底石を敷き、半分程度まで培養土をいれ、水をたっぷり注ぎ吸収させます。残りの培養土をプランターの上から5pぐらいまで入れ、再び水を注ぎしっかり吸収させます。スコップで植穴を作り、ポットから取り出した苗を浅めに植え込み、周りの土を寄せるようにして植え付けたら、土の表面を軽く押さえて落ち着かせます。
② 支柱を立てて誘引する
支柱を苗の株元に垂直に立て、誘引ひもで8の字に縛ります。茎が成長し、太くなることを想定して、少しゆとりを持たせましょう。その際、実を付ける妨げにならないよう、花を咲かせる枝の下は避けてください。
③ “わき芽”をとる
茎と葉の付け根から出てくる“わき芽”をとらないとそのわき芽が茂りすぎ、管理が大変になったり、実や樹の成長に必要な栄養が不足しますので、こまめにとるようにしましょう。晴れた日に行いましょう。
④ 追肥を与える
培養土にはもともと肥料が入っていますが、水やりをしていると培養土の肥料分も徐々に流れ出るため、追肥を与えます。「化成肥料」の場合は2週間に1回10g、「液肥」の場合は1週間に1回500倍に希釈したものを与えましょう。使用方法を守って使用し、栽培の様子を見ながら調整しましょう。
⑤ 収穫
家庭菜園でしか味わえない新鮮な野菜を味わってみてください!
★くわしくはタキイ種苗「野菜栽培マニュアル」をご参照ください。⇒ http://www.takii.co.jp/tsk/manual/#manual_01