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2024.12.05
年の瀬恒例!今年の野菜に関するアレコレを振り返る
タキイ種苗 『2024年度 野菜の総括』
野菜にまつわる気になるニュースは、野菜の価格高騰や
猛暑による野菜への影響。2024年は野菜にとって苦難の年?!
◎今年最も食べる機会が多かった野菜ワンツーは、不動の「キャベツ」&「たまねぎ」。
◎例年より高いと感じた野菜は「キャベツ」と「トマト」が同数で1位。
タキイ種苗は、2024年の年末を前に、400人の男女を対象に「野菜」に関する調査を実施いたしました。今年で10回目となる本調査では、今年ならではの「野菜」の世相を明らかにしました。「2024年の野菜の総括」として、ご報告いたします。
調査結果TOPICS!
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■ 今年最も食べる機会が多かった野菜は、不動の「キャベツ」&「たまねぎ」。
日常の家庭の食生活を支える野菜として、「キャベツ(54.3%)」「たまねぎ(54.0%)」が不動のワンツーフィニッシュ!
一方、異常気象の影響か?! 3位「トマト」4位「きゅうり」5位「なす」の夏野菜が異例のラインナップ。 -
■ 野菜の価格高騰への意識は過去最高だった昨年に続く8割越え。
物価高騰への負担は家計を直撃しており、野菜の値段も「高い」という印象が強い一年に。
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■ 例年より値段が高いと感じた野菜は「キャベツ」。買わないわけにはいかない野菜も「キャべツ」。
「昨年に比べて値段が高いと感じた野菜」は、「キャベツ(43.5%)」、「トマト(43.5%)」が同数で1位に対し、「値段が高くても買う野菜」は、1位「たまねぎ(31.8%)」、2位「キャベツ(28.3%)」。食卓に必要不可欠な野菜の価格高騰が家計の打撃に!
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■ 野菜の価格高騰で「野菜の購入量を減らした」人が約15%。
「野菜の価格が高騰した際に、創意工夫していることとして、「野菜の購入を減らした」が14.8%と、野菜の価格高騰が購入量に影響。
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■ 野菜の摂取意欲が高いほど、調理時間が長い傾向に。
朝食、昼食では調理時間に「30分の壁」あり!さらに、野菜の摂取意欲と調理時間の関係に明らかな正の相関が見られた。
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■ 2024年は野菜にとって苦難の年?!
2024年の野菜にまつわる気になるニュースは、1位「野菜価格高騰(41.8%)」、2位「猛暑による野菜への影響 (36.8%)」、3位「野菜の豪雨被害(25.3%)」など、野菜にとっての苦難が顕著に。
1. 2024年によく食べた「野菜」
今年食べる機会が多かった野菜1位は「キャベツ」。2位の「たまねぎ」は僅差で5年連続の首位を逃す! 3位から5位は夏野菜がランクイン。
「今年(2024年)に食べる機会が多かった野菜」では、1位「キャベツ(54.3%)」と2位「たまねぎ(54.0%)」の差はわずか1票となっており、2020年からの経年比較においてもこの2つが不動のトップ2となっています。
また、安定して人気の高い3位「トマト(43.3%)」に加えて、夏野菜である「きゅうり(43.0%)、「なす(42.3%)」がランクインしており、猛暑が長引いた影響で夏野菜が食卓に並ぶ機会が多かったと思われます。
■図1 トップ5(複数回答 N=400)


2. 2024年の「野菜の値段と購入意欲」
① 価格が高かったと「思う」人の割合は依然として過去最高だった昨年に続き8割超え!
「例年に比べて野菜の値段が高かったと思うか」については、「思う」が84.0%となっており、過去最高だった昨年(89.3%)に比べて下がってはいますが、依然として高い傾向が続いています。
日々の生活において、物価高騰への負担が続いており、野菜の値段も「高い」という印象が強い1年だったとうかがえます。

② 例年に比べて値段が高いと感じた野菜1位は、食べる機会が多かった野菜1位の「キャベツ」が、昨年1位のトマトに並んだ。値段が安いと感じた野菜は昨年同様に「特になし」が85.5%と高い傾向に。
「例年に比べて値段が高いと感じた野菜」では、「キャベツ(43.5%)」「トマト(43.5%)」が同率で1位となり、3位以下と10%近い差をつけています。1位「キャベツ」は、「食べる機会が多かった野菜」1位でもあり、よく食べるからこそ値段が「高い」と感じる人が多かったようです。
一方で、「例年に比べて値段が安いと感じた野菜」は「もやし(2.0%)」が僅差で1位となっていますが、「特になし(85.5%)」が圧倒的な割合を占めており、野菜全般に価格高騰を感じた年であったといえます。
■図4 トップ5(単一回答 N=400)
2024年 例年に比べて高いと感じた野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | キャベツ | 43.5% |
1位 | トマト | 43.5% |
3位 | レタス | 34.3% |
4位 | ブロッコリー | 34.0% |
5位 | きゅうり | 33.5% |
■図5 トップ5(単一回答 N=400)
2024年 例年に比べて安いと感じた野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | もやし | 2.0% |
2位 | れんこん | 1.8% |
3位 | たまねぎ | 1.5% |
3位 | じゃがいも | 1.5% |
3位 | トマト | 1.5% |
③ 「値段が高くても買う野菜」でも、よく食べた野菜1位、2位の「たまねぎ」「キャベツ」がトップ2。
「高いと買わない野菜」はブロッコリーに次いで「アボカド」がランクイン。
「値段が高くても買う野菜」は、1位「たまねぎ(31.8%)」、2位「キャベツ(28.3%)」が高い割合となっています。特にキャベツは「値段が高いと感じた野菜」1位でもあり、汎用性の高さから食卓に必要不可欠で、値段が高くても買わないわけにいかない野菜となっています。
「値段が高いと買わない野菜」は、「ブロッコリー(19.0%)」が1位となっていますが、突出して高い傾向ではなく、嗜好に左右されると思われます。
■図6 トップ5(単一回答 N=400)
2024年 値段が高くても買う野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | たまねぎ | 31.8% |
2位 | キャベツ | 28.3% |
3位 | じゃがいも | 23.0% |
4位 | トマト | 22.5% |
5位 | にんじん | 19.3% |
■図7 トップ5(単一回答 N=400)
2024年 値段が高いと買わない野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | ブロッコリー | 19.0% |
2位 | アボカド | 17.5% |
3位 | アスパラガス | 16.5% |
4位 | とうもろこし | 16.3% |
5位 | トマト | 16.0% |
④ 野菜の購入量については、値段が「安い」と感じた「もやし」が増加1位となる一方、「高い」と感じた「トマト」が減少1位に。価格高騰が野菜の購入量にも影響している!
「例年に比べて購入量が増えた野菜」1位が「もやし(12.5%)」に対し、「例年に比べて購入量が減った野菜」1位は「トマト(12.3%)」となっており、「例年に比べて値段が『高い』『安い』と感じた野菜」1位と連動しています。一方、2位「キャベツ(7.0%)」、3位「たまねぎ(5.5%)」は、「値段が高くても買う野菜」1位、2位となっており、価格の高騰が購入量に影響する野菜と、影響が少ない野菜があることがわかります。
■図8 トップ5(単一回答 N=400)
2024年 例年に比べて購入量が増えた野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | もやし | 12.5% |
2位 | キャベツ | 7.0% |
3位 | たまねぎ | 5.5% |
4位 | きゅうり | 5.0% |
4位 | なす | 5.0% |
■図9 トップ5(単一回答 N=400)
2024年 例年に比べて購入量が減った野菜 TOP5 | ||
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1位 | トマト | 12.3% |
2位 | ブロッコリー | 9.8% |
3位 | レタス | 7.8% |
4位 | きゅうり | 7.5% |
4位 | ほうれん草 | 7.5% |
⑤ 野菜の価格高騰への創意工夫では、「スーパーで見て安いものを買っている」が4割越え。さらに「野菜の購入を減らした」が約15%と切実な実態が浮き彫りに!
「野菜の価格が高騰した際に創意工夫していること」は、「スーパーで見て安いものを買っている(42.5%)」が1位で、2位「もやしなど比較的に安価な野菜で補足・代替している(25.5%)」に17.0%差をつけています。
新設選択肢では、「価格上昇の影響の少ない野菜を使う(18.8%)」「野菜の購入量を減らした(14.8%)」が高く、野菜の価格高騰が、購入する野菜の種類と量の双方に影響を与えていることがわかる結果となりました。

3. 2024年の「食の形態と野菜摂取意欲の関係」
① 「内食派」と「ほぼ内食派」を合わせると8割を超えるも、コロナ直後の昨年に比べて減少。少しずつコロナ前の「日常」へ戻りつつある?
「毎日ほぼすべての食事を自身または家族が調理している」と回答した「内食派」は58.5%で、「食事の一部は外食・中食を採り入れて、ほかの多くは自身または家族が調理している」と回答した「ほぼ内食派(24.5%)」を合わせると83.0%と、8割を超えるものの、2023年(89.8%)、2022年(89.1%)に比べて減少しています。コロナ禍の行動制限が解除された直後に比べて、コロナ前の「日常」に戻りつつあると推察されます。

② 忙しい現代人の調理時間の実情!調理にかける時間では、朝食・昼食には『30分の壁』あり、調理しない人も2割に。
1回の調理にかける時間では、「15分以内」が「朝食(40.0%)」「昼食(34.8%)」と最も多くなっているのに対し、夕食では「30分以内(29.6%)」が最も多く、次いで「1時間以内(24.1%)」が多い結果となりました。忙しい現代人においての調理時間の目安は、忙しい朝食・昼食では15分以内、夕食では1時間以内が多数派といえます。
また、朝食・昼食では「調理はしない」の割合も20%を超えており、調理に十分な時間が取れていないことがわかります。
※「毎日ほぼすべての食事を外食・中食で済ませ、自身や家族が調理することはほぼない」回答者を除く

③ 食事形態により差はあるが、野菜摂取意欲は50%を超えている。家で調理をする食事ほど、野菜摂取意欲が高い傾向に。
「野菜を摂取することをどの程度求めるか」については、「強く求める」「やや求める」を合わせた「求める」では、「外食(51.8 %)」、「内食(77.1%)」、「中食(62.0%)」と全ての形態で半数を超えています。
特に「内食」では「強く求める(27.3%)」が「外食(10.8%)」「中食(11.5%)」に比べて多く、家庭で調理して食事をとる際には野菜を取り入れようという意欲が高いことがうかがえます。

④ 朝食における調理時間と野菜摂取意欲の関係には相関あり!野菜摂取意欲が高い人ほど食に対する意識も高い結果に。
最も調理時間が少ない傾向にある「朝食」における調理時間と野菜の摂取意欲の関係では、「それ以上」において野菜摂取を「強く求める(10.1%)」「やや求める(4.2%)」と意欲が高くなるにつれ、調理時間が長くなっています。
また、「全く求めない」では、半数の人が朝食では「調理をしない」という結果であり、野菜摂取意欲が高い方が、調理にかける時間が長く、「食に対する意識が高い」ということがわかります。
※「毎日ほぼすべての食事を外食・中食で済ませ、自身や家族が調理することはほぼない」回答者を除く

4. 2024年の「野菜にまつわるトピックス調査」
① 「健康を意識して積極的に摂取した野菜」トップは「トマト」。「ブロッコリー」、「キャベツ」が続くも、「特になし」が4割近くに。
「今年健康を意識して積極的に摂取した野菜」では、1位「トマト(11.8%)」、2位「ブロッコリー(7.5%)」、3位に今年最も食べる機会が多かった「キャベツ(5.5%)」がランクインしています。トマトやブロッコリーは多くのメディアでも栄養価の高さが取り上げられていることで、「健康にいい」印象があることがわかります。
一方で、「特になし(39.5%)」が4割近くなっており、健康を意識して特定の野菜を選んで摂取しているという人は少ないことがわかります。
■図15 トップ5 (各単一回答 N=400)
2024年 健康を意識して積極的に摂取した野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | トマト | 11.8% |
2位 | ブロッコリー | 7.5% |
3位 | キャベツ | 5.5% |
4位 | たまねぎ | 4.3% |
5位 | ほうれん草 | 2.8% |
② 年末には、鍋やお節に使える野菜の購入量が増える野菜のトップは「白菜」。
「年末にかけて特に購入量が多くなる野菜」は、「白菜(37.3%)」がダントツの1位となっており、「大根(17.8%)」「ネギ(11.8%)」が続きます。年末年始に鍋を囲む機会が増えるため、鍋の具材が上位にランクインしています。また、雑煮やお節の素材として「さといも(8.8%)」「れんこん(7.0%)」も購入量が増える傾向にあります。
■図16 トップ5 (単一回答 N=400)
年末にかけて購入量が多くなる野菜 TOP5 | ||
---|---|---|
1位 | 白菜 | 37.3% |
2位 | 大根 | 17.8% |
3位 | ネギ | 11.8% |
4位 | さといも | 8.8% |
5位 | れんこん | 7.0% |
③ 今年気になった野菜に関するニュースは、1位「野菜価格高騰」、2位「猛暑による野菜への影響」、3位「野菜の豪雨被害」をはじめ、マイナス要素が強く、2024年は野菜にとって苦難の年!
「今年気になった野菜に関するニュース・情報」については、1位「野菜価格高騰(41.8%)」、2位「猛暑による野菜への影響(36.8%)」、3位「野菜の豪雨被害(25.3%)」をはじめ、マイナス要素が強いニュースが上位となっています。2024年は野菜にとって厳しいニュースが多く報道されていたこともあり、特に日々の家計に直結したニュースが注目されています。
年代別では、上位の 「野菜価格高騰」、「猛暑による野菜への影響」、「野菜の豪雨被害」ともに60代においてより関心が高い傾向が見られます。また、「野菜の美容効果」は20代でやや高くなっており、野菜に関するニュースの興味関心は年代で差が見られます。
