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野菜

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1苗作り

苗作り(育苗)は、外気温が低温や高温などで順調に生育しにくい場合、幼苗期に気象災害や病害虫の被害から苗を保護する場合に行います。苗作りをするのが便利な作物は、トマト、ナス、ピーマン、スイカ、イチゴなどの果菜類と、キャベツ、レタス、タマネギ、ネギ、ブロッコリーなどの葉菜類です。

●苗床

低温期には電熱温床線を入れた温床育苗(第1図)か、冷床育苗(電熱線で加温しないビニールトンネルによる保温のみ)とします。高温期には寒冷紗などの遮熱資材の被覆による育苗を行います。
タネまきに当たり、播種箱利用の場合は箱の底にごろ土を入れて水はけをよくし、その上に床土を6〜9pの厚さに広げます。苗床に直接タネまきする場合は、床土を9p以上の厚さに置きます(第2図)。また、最近はペーパーポットやセル成型トレイで育苗する方法が増えています。この場合は、ペーパーポットやセルトレイに床土を詰めて、これに直接タネまきします。タネまきの深さは、通常、種子の厚さの3倍ですが、床土が粘質であればやや浅めに、床土が砂質であれば深めにします。
移植床としては、苗床に床土を9〜12pの厚さに置いて、これに移植する方法と、ポリポット、ペーパーポット、セルトレイなどに床土を詰めて、これに移植する方法があります。ポットなどへの移植は、苗床への直接の移植に比べて、水やりが鉢ごとに同量になりにくく、生育むらができやすいのですが、本圃へ植え付けたときに活着が早まります。

第1図 低温期における育苗(電熱温床線による加温)

第1図 低温期における育苗(電熱温床線による加温)

第2図 播種箱でのタネまき

第2図 播種箱でのタネまき

2植え付け(定植)

定植苗の大きさは、野菜の種類によって違います。トマト、ナスでは本葉7〜8枚、キュウリ、カボチャなどのウリ類では本葉2〜4枚、キャベツ、ブロッコリー、レタスでは3〜5枚が適します。市販苗を定植する場合は、茎葉がやわらかく、節間が長く、ひょろ長い苗は避けて、葉色が濃く、がっちりしていて、根鉢が十分ついている苗を選びましょう。なお、トマトでは本葉が6枚出た苗より若苗を定植すると、草勢が強すぎて結実が悪く、また、奇形果になりやすくなるので、所定の大きさまで育てる必要があります。
定植日は、できるだけ苗のしおれを少なくするために、無風で日差しの弱い日がよく、冬春には暖かい日を選びましょう。暑い時期には、涼しい夕方に定植します。畝立て整地後、植え穴を掘り、土が乾いていれば、植え穴にたっぷり水やりを行ったうえ、第3図のように定植します。ウリ類は浅植え、ナス、トマトはやや深く植えます。また、低温期にはやや浅く、高温期にはやや深く植えます。

第3図 苗の植え付け(トマト)

第3図 苗の植え付け(トマト)