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野菜栽培マニュアル
セルリー
■菜園向けセルリー栽培カレンダー
発芽
- ■発芽適温
- 18〜20℃
15℃以下になると発芽に日数がかかります。25℃以上になると発芽が急激に悪くなり、30℃以上ではほとんど発芽しなくなります。
[セルリーの発芽]
[発芽のポイント]
種子がかくれる程度に覆土し、乾燥を防ぐため、ぬれ新聞紙などで覆います。発芽日数は10日程度で、発芽したら被覆資材は早めに取り除きます。育苗中、降雨などにより土壤水分が多くなると苗立枯病の発生が多発するので、ハウスなどの施設内で育苗するとよいでしょう。
抽苔
[セルリーの花芽分化と抽苔]
本葉2枚以上の苗が長日条件の下で12〜13℃の低温に感応して花芽を分化します。
低い温度ほど、低温にあう期間が長いほど、大株になるほど抽苔しやすくなります。分化後の抽苔は長日高温条件で促進されます。また低温条件下でも短日条件で抽苔は抑制されます。
長日条件…10〜12時間以上
短日条件…8時間以下で花芽形成抑制
育苗
生育
- ■生育適温
- 20〜22℃
比較的低温に耐え、0℃以上では寒害は少ないが、品質が悪くなるので最低3〜5℃は保つようにします。高温には弱く、25℃以上で生育が悪くなり、品質も劣化します。
[セルリー春まき秋どり栽培]
定植後の生育初期に十分な光を当てて、横の生長を促し株の肥大を進めます。
生育後半になると縦の肥大を促して株を充実させ草丈を確保します。
[定植]
畑は定植の1カ月くらい前に良質な堆肥を十分に施して、準備しておきます。植えつけの深さは、鉢土と同じくらいとし、芯葉に土を入れないように注意します。植え穴のまわりに土を入れ、鉢土を押さえて土と密着させます。
アブラムシの忌避効果や地温抑制のためシルバーマルチや白黒ダブルマルチを利用するとよいでしょう。
- ■施肥量
- 1回の栽培に必要な施肥量(全体)は、目安として10u当たり成分量で、チッソ800g、リン酸600g、カリ600gを施用します(トップセラーは吸肥カが旺盛なため、半分程度の施肥量でよい)。ほかの野菜と比べて2〜3倍の肥料分が必要で多肥栽培になります。完熟堆肥を多めに施し、栽培期間が長いため元肥2/3、追肥1/3の割合にします。元肥は緩効性か有機質の肥料を利用するとよいでしょう。マルチを利用するときは、施肥量を70%程度にして全量元肥とします。芯腐れ症を防ぐため、苦土石灰を1.5〜2kg施用します。
追肥と管理
[マルチ]
マルチを利用すると生育がスムーズに進みます。特にシルバーマルチは雑草防除とアブラムシの寄生を抑えウイルス病を避けること、さらに夏場の地温上昇を和らげることができ、生育を促す効果があります。
[追肥]
定植後15〜20日に1回の割合で化成肥料をチッソ成分で60〜80g程度を与え、追肥を切らさないようにします。
[潅水]
セルリーは乾燥に弱く、多くの水分を必要とするので、夏の晴天が続くようなときにはたっぷりと潅水をするようにしましょう。
[薬剤散布]
葉枯病、斑点病は、発病すると急速に拡大するので定期的に殺菌剤の予防散布を行います。
[株の管理]
定植後30〜40日後(本葉14〜15枚)くらいから、株元から発生するわき芽と変色した下葉を順次摘み取ります。わき芽の処理が遅くなると生育が抑制されるので注意します。
生育最盛期になると、旺盛な葉やわき芽が急速に出てくるので、下葉の古葉や黄化した葉、大きく伸びたわき芽は除去します。
収穫
定植後、約70〜90日で収穫できます。芯葉が立ち上がり、葉の生育が旺盛になったころ、大きくなった株から外葉をかきとるか、株ごと収穫します。
外葉からかきとって収穫すると長期間収穫できますが、遅れると茎にスが入るので注意しましょう。
病害虫と生理障害
[病気]
葉枯病(糸状菌)
下葉から淡黄色で円形の病斑ができ、徐々に大きくなり褐色になる。茎や葉柄にも発生し、だ円形のくぼみができる。
斑点病(糸状菌)
葉に褐色で円形の小斑点を生じ、病斑が拡大していき、その周囲は黄化していく。
軟腐病
株元から発生し、高温期の発生が多く、病原菌が細菌で発病すると防除が難しい。多肥や多湿条件でも発生しやすい。
[害虫]
ハスモンヨトウ、ハダニ、ハモグリバエ、ナメクジなど
- ■芯腐れ症
- 生育最盛期に入ると若い葉の縁が黒変したり、葉が黒変、枯死したりすることがあります。これは石灰欠乏症(カルシウム欠乏症)で、生長の盛んな葉にカルシウムが十分に送られないときに起こる生理障害です。発生する条件としては、乾燥、高温、多肥、急激な生育などによるものです。水分が十分な状態で芯腐れ症になる場合は、チッソ過多か高温が原因になります。