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野菜栽培マニュアル
カボチャ
■菜園向けカボチャ栽培カレンダー
育苗管理
播種と育苗
- ■発芽適温
- 25〜30℃
カボチャの育苗期間は1カ月程度と短く、温度を確保できる場所があれば9〜12pポットにまいて育苗するとよいでしょう。
[定植適期苗]
12cmのポリ鉢の場合は、約30日の育苗日数で本葉3.5枚苗に育てます。
本葉3.5枚以上は根が鉢に回りすぎて老化苗になり、定植後の生育がよくないので注意します。
定植
- ■生育適温
- 17〜20℃
カボチャは、果菜類の中でも低温に耐えることができ、台木にも使われるほどです。
定植時期の目安は最低気温8〜10℃、最低地温12℃以上になったころです。
一般地の露地栽培では4月下旬ごろ、トンネル栽培では4月上中旬ごろになります。
- ■施肥量
- 元肥の量は目安として10u当たり成分量で、チッソ100〜150g、リン酸150〜200g、カリ100〜150gを施用します。カボチャは吸肥力が強く、元肥が多いと「つるぼけ」をおこし、葉が大きくなって着果が悪くなるので注意します。
定植後の管理
定植は活着を促すため晴天の午前中に行います。
カボチャの仕立て方はいろいろありますが、家庭菜園では本葉4〜5枚で親づるを摘芯して、子づる2〜3本仕立てがよいでしょう。
整枝
枝整理は、着果節までの孫づるをすべて除去し、それ以降は草勢に応じて適宜行います。
着果後の側枝は原則として放任ですが、草勢が強く、茎葉が込み合う恐れのある場合は、本葉を越えて上に出てくる側枝の先を摘芯します。
- 親づる1本仕立て
- 枝同志の養分の競合がないため最も着果が安定する。抑制栽培は1本仕立てが有利。1本仕立ては、15〜18節に着果。
- 子づる2本仕立て
- 1本仕立てに次いで着果数が多くなる。不良環境の条件下で3〜4本仕立てより有利になる。粉質の高い品種は、2本仕立ての方が品質のよい果実になります。
- 子づる3本仕立て
- 子づる仕立ての整枝栽培では、3本仕立てまでが有利。4本仕立て以上は、同時着果性が本数増加に応じ減少する。
[子づる3本仕立ての場合]
交配
受粉は通常ハチが自然に行いますが雨の日やハチがいない時、また株元近くの雌花で雄花が少ない場合には人工交配が必要です。
人工交配は、早朝ほど着果がよくなるので、遅くとも午前10時までには、受粉を済ませます。
当日咲いた雄花の花弁を除去し、葯を雌花の柱頭になぞるように軽く触れさせます。
この時、柱頭に花粉を均一に付着させること、強い力で柱頭に押しつけないことが大切です。
追肥と玉の肥大
追肥の時期は着果が確実となった、「にぎりこぶし大」の時が適期で、茎葉が小さい時は、開花直前または開花期に施用します。
追肥の量は、10u当たり化成肥料の場合、チッソ成分で30〜40gをつるの先に施します。
うどんこ病のまん延や強風により、葉が被害を受けて果実に直射日光が当たると、日焼けやひび割れの原因になるので、わらや新聞紙をかけて果実を遮光します。
[玉直し(収穫の10日前に行う)]
収穫
収穫適期前のカボチャの果梗部(未熟)。縦状にコルク化が始まったところ。
ニホンカボチャは開花後30〜35日が収穫の目安
果皮がやや褐色がかって、白粉が吹いてきたら収穫する。
キュアリング・保存方法
収穫直後の果実は、デンプン含有率が高く甘みが弱いのですが、日数の経過とともにデンプンが徐々に糖化して果実は甘くなります。
粉質感は、デンプン含有率と密接に関係しており、デンプン含有率が高いほど粉質感が強く、低いほど粘質に感じます。
貯蔵温度が高いとデンプンは早く減少します。
収穫後、果実は風通しのよい日陰の場所で、7〜10日間のキュアリングを行います。キュアリングとは、果梗部の切り□を乾かして菌の侵入を防ぎ、果実の腐敗を防止する作業です。
この時、温度が高すぎるとデンプン含量の低下や果面の退色が早く進むので、必要以上に温度を上げないように、また処理日数が長くならないように注意します。
保存は常温で、冷暗所に置いておくとよいでしょう。