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野菜栽培マニュアル

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ネギ

■菜園向けネギ栽培カレンダー

栽培カレンダー

ネギの抽苔

[ネギの花芽分化と抽苔]

ネギは緑植物低温感応型の植物で、ある一定の大きさ(葉鞘径5〜7mm以上)に達した株が一定期間の低温(10℃以下)に遭遇することで花芽形成し、その後高温と長日条件で抽苔します。この花芽分化は品種、株の生育状況、栽培地域により異なりますが、一般的に9〜10月の秋まき栽培では翌年3〜4月頃に抽苔する可能性があります。根深栽培では抽苔した花芽を早めに摘蕾し側芽の生育を促すこと、葉ネギ栽培では摘蕾後仮植えを行うことで、他の葉根菜類とは異なり花芽分化後も収穫が可能です。

発芽

■発芽適温
15〜25℃(30℃以上の高温だと発芽不良になりやすい)

ネギ種子の寿命は最も短命なグループに入ります。乾燥には比較的強いですが、過湿にはきわめて弱くなります。土壤適応性は広くpH5.7〜7.4であれば正常に生育します。

[種子]

[発芽]

播種と育苗

ネギは生育の揃いが苗質に大きく影響するため、温度管理(高温、低温)、潅水管理(過湿、過乾燥)に注意します。セルトレイやチェーンポットの育苗では、草丈20〜25cmのころハサミなどで15cm程度の高さに切り揃え、再び20cmに伸びたころ再度刈り込む(剪葉作業)と、太くてがっちりとした苗に仕上がります。

[セルトレイ(200穴)]

200穴のセルトレイが育てやすい。
1セルに2〜3粒まいて覆土する。

[地床育苗]

厚さ1cmぐらいの板で深さ6〜8mmくらいの溝をつくり、5mmぐらいの間隔で播種する。
2〜3回間引いて、本葉3〜4枚までに株間2〜3cm程度にする。砂または有機質の多い土(床土)で覆い、たっぷり潅水する。

■施肥量
苗床の元肥は10u当たり成分量でチッソ(N)140g、リン酸(P)160g、カリ(K)110gを目安に施用。
追肥は播種後40日、60日後にNで40〜50gを施用。
育苗期間に、リン酸を効かせると根量が増加し、生育のよいネギ苗を作ることができます。

チェーンポット

チェーンポットは、ペーバーポット(紙でできた育苗用ポット)の1つ1つが連結し、一度に連続して植えることができます。チェーンポットで育苗したネギの苗を、簡易移植器「ひっぱりくん」で移植することができ、定植時に省力栽培できる方法です。

〔日本甜菜製糖〕

規格 一本の直径×高さ
(cm)
一冊の本数
(本)
標準展開寸法
タテ×ヨコ(cm)
育苗箱
CP3O3(株間5cm)
CP303-10(株間10cm)
CP3O3-15(株間15cm)
3×3 264 28×58 水苗育苗箱が利用可能

チェーンポットの播種

チェーンポットの定植

チェーンポットのネギ苗

根深ネギの生育

[春まき秋冬どり栽培]
■生育適温
15〜20℃
■根深ネギの軟白適温
10〜20℃(最適温度15℃)

ネギの根は、酸素を好み過湿に弱いので通気性、排水性のよい畑で栽培します。
土寄せは約1カ月おきに行い、葉身の分岐部(首元)より上に土をかけないよう注意しましょう。また一度に多量の土寄せは葉を傷めたり根を切ってしまうので行わないようにしましょう。

根深ネギの土寄せと追肥

■施肥量
元肥として根深ネギは、10u当たり成分で、チッソ、リン酸、カリそれぞれ100〜150gを目安に施用します。
葉ネギの元肥は、10u当たり成分でチッソ120〜150g、リン酸150〜200g、カリ120〜150gを目安に施用します。
■分けつ
分けつは茎盤に発生するえき芽が発達したもので、根元から株が増えていきます。葉ネギは分けつしやすい性質をもち、根深ネギ(1本ネギ)はほとんど分けつしません。本葉6〜10枚のころに受けるストレス(乾燥、多肥、高温など)や収穫遅れにより助長されます。

葉ネギの土寄せと追肥

小ネギは条まきを行い、株間1cm程度で栽培すると60日程度で収穫できます。九条系などの中ネギは育苗を行い、移植栽培するとよいでしょう。

葉ネギの生育途中

[植え付け]

3〜4本まとめて10〜15cm間隔に植える。覆土は苗が倒れない程度で行う。

[追肥]

植え付け後1カ月ぐらいのころ肥料を施し軽く土寄せする。1カ月ごとを目安に追肥し、中耕、土寄せをする。

[収穫]

株が大きく育ったら順次収穫する。

病害

[べと病]

葉に黄白色のぼやけた大型病斑を生じ、後に病斑上に灰色のカビ(胞子)を生じます。病原菌は糸状菌(カビ)で、春と秋に発生し低温で雨が続くと多発します。発生しやすい時期になれば予防剤の散布を行い、病気の発生を防ぐようにしましょう。

[さび病]

葉や花茎の表面にオレンジ色の小さな紡錘・楕円形の小斑点を多数形成します。発病の激しい場合、葉全体に病斑が生じ、葉は黄白色になり枯死します。病原菌は糸状菌(カビ)で15〜20℃で発病が多く、春と秋に発生し、24℃以上では発病しません。雨が多いときや、チッソ過多の場合は多発します。病斑を見つけたら、薬剤散布を行い初期防除に努めましょう。

[黒斑病]

病原菌は糸状菌(カビ)で、葉の中心に淡褐色病のくぼんだ斑点ができ、次第に拡大して同心円上で黒色すす状のかびを生じ、病斑から上部の葉は枯れて垂れ下がります。春から秋に発生し、24〜27℃で、降雨が多いと多発するので、早めに薬剤散布を行いましょう。

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