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野菜栽培マニュアル
ニガウリ
■菜園向けニガウリ栽培カレンダー
発芽
- ■発芽適温
- 25〜30℃(高温性が強い)
ニガウリの種子は、種皮が硬く厚いので、タネの先端を少しカットすると発芽しやすくなります。
種子は高温でもよく発芽し、夏の高温条件下でも着果が比較的容易です。ほかの果菜類に比べて耐暑性が強いため、夏野菜として貴重な存在になっています。
ポット育苗
ニガウリの育苗期間は1カ月程度なので、9pポットにまいて育苗するとよいでしょう。育苗の間、気温を昼は28〜30℃、夜は18℃を目安に管理しましょう。苗が徒長しやすいため、水のやりすぎに注意して、土の表面が乾いたら、午前中にたっぷり潅水するようにしましょう。
[定植適期苗]
9pポットの場合は育苗日数約30日、本葉3.5枚程度が定植適期です。
本葉が5枚以上になると根が鉢に回りすぎて老化苗になり、定植後の生育が悪くなるので注意します。
定植
- ■生育適温
- 18〜28℃
定植の目安は、晩霜の心配がなく最低気温が15℃以上になったころで、一般地のマルチ栽培では5月中下旬ごろになります。マルチは生育初期の地温を高め、水分と肥料分を保持する働きがあるのでぜひ利用するようにしましょう。
生育が早いので、定植後はすぐに支柱を立てて誘引の準備をしておきましょう。
- ■施肥量
- 元肥は目安として10u当たり成分量で、チッソ150g、リン酸200g、カリ150g程度を施用します。ニガウリは栽培期間が長いため、緩効性肥料を利用すると肥効が長く続き、草勢維持が期待できます。
定植のポイント
定植は活着を促すために晴天の午前中に行います。ニガウリの仕立て方はいろいろありますが、家庭菜園では本葉5〜6枚で親づるを摘芯して、子づる4〜5本を伸ばすようにするとよいでしょう。
誘引の例
[誘引]
地這い栽培すると果実が傷むので、ネットによる立体栽培をするとよいでしょう。整枝については放任栽培も可能ですが、親づるは本葉5〜6枚くらいで摘芯し、子づるを4〜5本のばして誘引します。生育が旺盛になると、つるが込みあって着果が悪くなり収穫が減少し、曲がり果や淡緑果の発生も多くなります。込みあっているつるを摘みとり、光線の入りをよくしてあげましょう。
[1条植えの場合]
[2条植えの場合]
仕立て方(整枝方法)
追肥と潅水
[追肥]
追肥は1番果の収穫開始期からはじめ、10日〜2週間ごとに行います。
1回につきチッソ成分で10u当たり20〜30gとして速効性の肥料を与えてください。追肥後に潅水を行うと、速やかに肥料が溶けて効きがよくなります。
[潅水]
ニガウリは高温や乾燥に強い作物ですが、収穫最盛期は気温も高いのでしおれが続くと生育不良を起こし、果実の肥大が悪くなったり、曲がり果が多くなるので定期的な潅水を行いましょう。
交配
ニガウリは受粉しないと着果しません。自然に虫が交配し着果しますが、実のつきが悪い場合(気温が低いころ、ハウス内、高層階のベランダなど)は、午前中に人工交配するとよいでしょう。
収穫
開花日から15〜20日たち、果実の肥大が止まったころが収穫適期です。若くても十分利用できるので、果色の緑色または白色が鮮やかなうちに、早めに収穫するようにします。
とり遅れると、やがて黄〜橙色に変色しはじめ、完熟すると果皮が破れて、中から赤熟した種衣にくるまれた種子が露出してきます。果肉はあまりありませんが、この種衣も食べて差し支えありませんから試してみましょう。
ニガウリの成熟は、果実の内部(種衣と呼ばれる種子の周辺)から赤色に変化して、その後果皮が黄色に変化してきます。この現象は、気温が高いほど果実内部から果皮までの変色が短時間で進行します。
収穫時に果実内部が赤色か判断できないので、高温期は収穫適期と思っても果実内部は赤色になっている場合が多いので注意します。
苦みはモモルデシンという成分で、胃の調子をよくしたり食欲増進する効果が知られています。ビタミンCも多く含まれますが、加熱してもほとんど失われません。沖縄料理である「ゴーヤーチャンプル」は、ビタミンCを効率よく吸収できる料理です。
種類と緑のカーテン
青長系
果長は30〜40p程度。果皮は濃緑色。果径は細く、突起は鋭い(または丸い)。
中長系
果長は25〜30p程度。果皮は濃緑色。果径は中で突起は鋭い。沖縄では最も多く栽培されている系統。
短太系
果長は15〜25p程度。果皮は緑色や白色。果径は太く突起は丸い。
白長系
果長は50p程度。果皮は白色。果径は中で突起は丸い。
[緑のカーテン]
夏につる性植物で日陰を作り、葉の蒸散作用で部屋の温度を下げる「緑のカーテン」が広まっています。その代表的なものが暑さに強いニガウリです。原産が熱帯アジアで、高温多湿の気候下でもすくすく育ち、下葉が枯れにくいので夏の強い日差しでも日陰の効果が大きいです。プランターで緑のカーテンを作る場合、下にスノコを敷いて風通しをよくし、地温を下げましょう。