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野菜栽培マニュアル
ソラマメ
■菜園向けソラマメ栽培カレンダー
発芽
- ■発芽適温
- 15〜25℃(10℃以下と30℃以上では発芽率が悪くなる)
ソラマメの種子は大きいので、発芽には酸素と水分を多く必要とします。深くまくと酸素不足になりやすいので、よく発芽させるには深くまきすぎないことです。おはぐろを斜め下方に向けて土に挿し込み、種子の尻部が地上にのぞいているくらいにまくのがよいでしょう。
ソラマメは冷涼な気候を好む作物で、幼苗期の耐寒性は強く、本葉5枚ぐらいまではかなりの低温に耐えられます。また、花芽分化に低温を必要とします。
[タネのまき方]
ポット育苗
マメ類は播種した後、鳥害が多いので育苗して定植するのもよいでしょう。育苗期間が20日程度と短いので6〜9pポットにまきます。大きくなってから定植すると活着が悪くなるので、本葉2枚ぐらいになったら、根鉢をくずさないように定植します。
播種(直播)
ソラマメは気温の低下する秋に播種し、耐寒性の強い幼苗で冬を越すようにします。播種の目安は、一般地の露地栽培では10月下旬から11月中旬になります。マルチは雑草を抑え、水分と肥料分を保持する働きがあるのでぜひ利用するようにしましょう。
欠株を防ぐため1穴に2〜3粒播種し、本葉が2枚くらいまでに1本に間引きします。生育のよいものを残してそのほかの株は根元をハサミで切り取ります。
- ■施肥量
- 元肥は目安として10u当たり成分量で、チッソ70〜100g、リン酸100〜150g、カリ100〜150gを施用します。特に、リン酸は初期の肥効が耐寒性を高め、根粒菌の着生を助ける働きがあります。
鳥害対策と防寒対策
マメ類は、播種後からの鳥害が多く対策が必要です。特にソラマメは、タネが大きくて栄養が豊富なため鳥害が多く発生します。播種後すぐに不織布をベタがけする方法や、テグス線を使い防鳥するなどの方法があります。
幼苗(本葉5枚まで)は寒さに強いですが、越冬時に大きく育った株は耐寒性が弱くなるので、無理な早まきはしないようにしましょう。適期に播種したものでも、直接霜にあたると傷みやすくなるので、寒さが厳しくなる12月下旬までに、トンネル支柱に不織布や寒冷紗をかけると防寒対策になります。冬は風が強いので、被覆資材が飛ばされないようハウスバンドなどで補強するとよいでしょう。
生育
- ■生育適温
- 16〜20℃(耐暑性は弱く、20℃以上では生育が衰える)
整枝と誘引
[整枝]
通常1株から10〜15本の側枝が伸びてきます。草丈が50〜60pに伸びてきたら、太い枝を残して6〜7本に枝を整理します。
[支柱立てと誘引]
株が大きく広がるのを防ぐため、株から少し離して四隅に支柱を立て、ひもで周囲を囲んで押さえます。アブラムシの飛来を少なくするために、シルバーテープも使用するとよいでしょう。
追肥と土寄せ
[追肥]
追肥は開花始めごろと着莢肥大期の2回に施します。チッソ成分で10u当たり30g。1回目の追肥の後、除草を兼ねて中耕を行い、株の倒伏を防ぐために土寄せをしますが、茎が外側に向かって開き、株元まで日光が当たるように、株の中まで土を入れておきます。
[潅水]
開花結実時期は水分を多く必要とする時期です。水分の量で着莢のよしあしや、莢の大きさなどが変わるので、水分が切れないように潅水が必要です。
[着莢]
莢は下のほうから数えて数節のものが実どまりするだけで、その上方のものは、下のほうの莢に栄養をうばわれたり、温度が高くなりすぎたりするために、着莢しないのが普通です。
収穫
[収穫]
上を向いていた莢が下に垂れ、背筋が黒褐色になったら収穫どきです。莢を触って大きな豆が確認できたら、ハサミで摘みとります。試し割りをしてみて、オハグロの部分が黒くなる前が収穫適期です。
収穫適期
連作障害
ソラマメやエンドウのマメ類は、連作を極端に嫌うため3〜5年以上あけて栽培するようにします。連作をするといや地現象のため立枯病などが発生しやすくなり、前年より生育が極端に悪くなり収量が激減します。
病害虫
ウイルスが有翅アブラムシにより伝播され、葉にモザイク症状やえそ症状を生じるのがモザイク病です。アブラムシは、10〜12月にかけて温度が高く雨の少ない年に多く発生し、生育初期や育苗時における飛来防止が重要になります。気温が上昇する4〜5月は特に多くなり、短期間で増殖した場合は殺虫剤での防除が必要です。
[ソラマメの病害]
3〜4月は赤色斑点病(チョコレート病)とさび病が急激に発生する場合があるので、注意が必要です。
病気が発生するとなかなか防除できないので、定期的に薬剤散布を行なって予防するとよいでしょう。