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野菜栽培マニュアル

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サツマイモ

菜園向けサツマイモ栽培カレンダー

栽培カレンダー

特性

■発根温度
15℃以上

中央アメリカ原産で、雨の少ない熱帯地域で生育することから高温や乾燥に強いうえ、栄養分の少ないやせた土地でもよく育ちます。

サツマイモの塊根

[サツマイモの花]

サツマイモはヒルガオ科で、アサガオによく似た花が咲きますが沖縄以外ではほとんど咲く姿は見られません。日が短くなると花をつける短日植物で、本州では日が短くなると気温が下がってしまうため、花がつかなくなってしまいます。

苗の植え付け

[植え付けのポイント]

畑作する作物の中では、連作障害が起きにくく、もっとも乾燥に強い作物です。しかし、水はけが悪い場所で、長雨などで冠水してしまうと枯死する場合もあります。 マルチを利用するとイモの肥大や食味の向上が期待でき、雑草の防除や収穫時のつるはがし作業が容易になります。植え付けは、晩霜の危険がなくなり、平均気温が18℃以上で、地温15℃以上になったころに行います。条件がよければ3〜5日で活着します。苗の活着には土壌水分が必要なので、うねが乾いている場合は植え付け後に潅水します。

マルチは定植後発根・活着の促進に高い効果があります。

植え付け

定植後、新聞紙などで苗を覆うと活着がよくなる(強い直射日光を防ぐ)。

[苗と植え付け方法]

販売されている苗(つる)を買うか、メリクロン苗(ウイルスフリー苗)と呼ばれるポット苗を購入して大きめの鉢に植え替え、本葉7〜8枚の時に中心の葉を摘み取って、節からつるを出させた上で、8節以上伸びたら切り取って植え付ける方法があります(1ポットから7〜8本のつるが取れる)。 切り口に近い2〜3節から根がもっとも塊根(イモ)をつけやすいので、必ず2〜3節は土中に埋め込みます。節を埋め込まないと吸収根ばかりとなりイモができません。各節の葉は葉身を必ず外に出すように植えるようにしましょう。深さ5〜10pの溝を切って、苗を水平にして植え付ける「水平植え」と呼ばれる方法が一般的です。

栽培管理

[サツマイモの生育]
■茎葉の生育適温
30〜35℃
■イモの肥大適温(地温)
22〜26℃

■施肥量
元肥は目安として10u当たり成分量でチッソ30〜60g、リン酸40〜80g、カリ80〜120gを施用します。根は肥料成分を吸収する能力が高く、深く広く張るので施肥量が少なくてすむ作物です。チッソ分が多いと「つるぼけ」がおこり収量が低下します。前作に他の野菜を作った畑では無肥料でも栽培できます。
[植え付け後の管理]

植え付け後、根は伸びますがつるの生育は遅いため、1カ月は除草を行います。生育が進めばつるが這い地面を覆うので雑草もあまり発生しません。追肥は基本的に行いませんが、7〜8月に葉が黄色くなってきた時は、追肥するとよいでしょう。
つる返し…夏から秋にかけてつるを上に持ち上げてひっくり返し、つるの節から出た根を切る作業。現在の品種は、節の根がイモになることはないので特に必要ありません。

生育途中

収穫と貯蔵

本格的に塊根が肥大するのは7〜10月になります。肥大期には日照が多く、乾燥気味になった方が、デンプンがよく蓄積されおいしいイモになります。植え付け後、120〜140日程度、平均気温の積算温度2200〜2500℃で収穫となります。収穫が早すぎると食味が悪く、遅すぎると塊根(イモ)の形が乱れるので、適期に収穫(掘り取り)します。霜にあたったサツマイモは腐敗や貯蔵性が劣ることから、初霜前には収穫を終えるようにします。 晴天の日を選び、しばらく乾燥させてから貯蔵します。収穫直後よりも2〜3週間貯蔵したイモのほうが、甘みが増しておいしくなります。

収穫
つるを地際で切り取り、イモを掘り出していく

[イモの貯蔵]

適温は13℃で、10℃以下では低温障害を受けます。湿度は90〜95%、貯蔵中はイモに風を直接当てないようにします。イモは寒さに弱いのですが、量が多い場合は穴貯蔵を行うと春まで貯蔵できます。少量であれば床下や室内に、発泡スチロールなどに入れて保存します。その際、穴をあけて空気を流通させるようにします。

穴貯蔵
できるだけ地下水位の低い所を選ぶ

■つるぼけ
茎葉ばかりが生育して、イモが十分に育たないのがつるぼけになります。
主な発生要因は
@生育前期に曇雨天が続くこと
A畑の水はけが悪いこと
B前作の肥料分が多く残っていること
C耐肥性の劣る品種を栽培すること

などになります。そのためチッソ肥料を控えることが基本とされていますが、生育のために養分が少なくてすむということではなく、反対にサツマイモの養水分の吸収力が強いためにおこります。つるぼけしたイモは、デンプンが少なく、粘質で食味が劣ります。
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