スマイルリッチ 開発物語 〜サンリッチひまわりキャンペーン〜

 

当時、ヒマワリの育種に目を向けている人は多くありませんでした。そもそもタキイ種苗でも切花品種を開発しようとは考えておらず、小さな矮性品種を作ろうと考えていました。それまでヒマワリの多くは「ロシアヒマワリ」に代表される見上げるほど高く育ち、花弁だ垂れている種類でした。小さな子供が目の高さで楽しめるような背丈の小さなひまわりがあれば面白いじゃないかと考えたのが、ヒマワリの育種を始めるきっかけです。そのイメージをもとにできた品種が『ビッグスマイル』です。

ひまわり

 

ヒマワリの育種を開始する中で、掛け合わせの素材に何を使うかを考えて、花形のよい「太陽」という品種、「ドワーフサンゴールド」などの小さな品種を掛け合わせていたところ、背の高い端正な系統がでてきました。また、食用ヒマワリの系統に花粉が出ないものがあり、「花形と草丈のよい高性種、それに無花粉の特性を兼ね備えた品種ができれば、おもしろい」と考えたことが切花品種の開発のきっかけです。
ひまわり

 

『サンリッチ』系のヒマワリは一本立ちで一輪しか咲かないため、ポットなどで栽培すると採種できるタネの量が限られてしまいます。また、開花期が1週間程度しかなく、その期間に交配等をすべて終わらせないといけない。系統間で開花期がずれると交配もできないという事態になります。頭に描くだけでなく、実際に栽培をしながらの品種開発での苦労がありました。
ひまわり

 

こうして完成したヒマワリには、明るくて大人も子供も元気が出そうな「太陽がいっぱい」という意味の『サンリッチ』が採用されました。また、色違いなどの品種名はオレンジやマンゴー、レモン、パインなどのフルーツの名前で、元気を与えるビタミンカラーにしています。
ひまわり

 

1991年の『サンリッチレモン』を皮切りに、翌年には『サンリッチオレンジ』を発表し、以来12品種(2015年現在)を発表し、今や日本だけでなく世界各地でたくさんの人たちに愛されています。ヨーロッパの切花需要を支えるオランダの花き市場でも、ヒマワリ全体の取り扱い量の大きなシェアを持つ人気品種となっています。
ひまわり

 

“母の日”にカーネーションを贈るように、“父の日”にヒマワリを贈る習慣が定着しつつあります。明るく力強い、元気のよい花として、「お父さん」のイメージにぴったりです。また、ビタミンカラーの名前のついた『サンリッチ』を贈れば、お父さんも元気が出るはずです。タキイ種苗では、日本メンズファッション協会主催の『ベスト・ファーザー イエローリボン賞』に協賛しており、受賞者へ『サンリッチ』ひまわりの花束を贈呈しています。
ひまわり