社会への貢献

医・食・農一体の取り組み
〜京都大原記念病院との連携が生んだグリーン・ファーム・リハビリデーション®〜

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室内作業の種類

外に出ることができない患者様もいらっしゃいます。また、真冬が近づくにつれ農園に足を運ぶ患者様の姿は激減します。そこで、室内でできる作業を増やすことが目下の目標となっています。現在、冬に行っている作業をご紹介しましょう。

1 エンドウ豆用ワラの傘づくり

11月にタネをまいたエンドウ豆は、越冬し、5月に収穫します。冬はワラの傘をかぶせて霜よけ・防風対策をします。また、豆が成長してくるとツルが伸び、ツルが自然に傘に巻き付きつくことで転倒防止になります。

1月下旬には、8名の患者様が作業療法士とマンツーマンのもと参加し、ワラの傘づくり体験訓練に取り組まれ、18個のワラの傘が完成しました。説明から清掃終了までちょうど40分でおさまったので、リハビリテーションメニューに適していると、同院の岡本渉氏は言います。急きょ実施回数を増やすほどの盛況ぶりで、しめ縄づくりを経験したことのある患者様が得意そうに取り組んでおられる姿も印象的でした。

2 タネアート

作業療法の一環として、野菜の種で作品をつくっています。

現場の声8
「室内作業の重要性」

京都大原記念病院グループ 総務部農園担当 榎並宏之 氏、岡本渉 氏

京都大原記念病院グループ 総務部農園担当 榎並宏之氏、岡本渉氏

患者様の訓練の予定日に合わせて作業スケジュールを組んでいても天候不良により中止になるなど、手入れのタイミングや収穫時期を逃す事が有ります。管理方法も課題ですが農園での訓練を楽しみにしてくださっている患者様の為にも、室内で出来る作業はないか、常に考えています。1月下旬には芽キャベツの室内収穫体験訓練を実施しました。スタッフが農園で茎ごと収穫し株元を切り落として室内に持ち込みました。患者様は芽を傷つけないように注意しながら、茎の部分を手でつかみ、ねじるようにして一つずつ摘み取ります。参加者からは「ねじりとるのが難しいと感じた。普段と違う力がいる作業だった。」「指先のリハビリにとても良かった」「自家農園のリハビリテーションをいつも楽しみにしている。室内でも出来る作業にまた参加したい。」などのお声をいただきました。

↑農園で育てた芽キャベツ「早生子持」を室内で収穫する作業療法。