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チューリップ 青かび病・緑かび病
文章執筆:守川俊幸(富山県農業技術センター) 写真提供:守川俊幸(TM)



 貯蔵中の球根では、盛夏を過ぎたあたりから主に傷口を中心に黄褐色ないし灰白色、紫灰色の病斑を形成し、病斑中央部には白色菌糸が生じ、ここに分生子が形成されて青緑色に変じる。他の貯蔵病害の病斑部から二次的に発病することも多い。促成用球根では根盤部が軟弱なために傷がつきやすく、そこから侵入して発根を阻害する。鱗片部が侵された場合は、植え付け後にさらに腐敗が進行して球根全体が腐敗する。
 患部に形成される青緑色の分生子の固まりが、本病の特徴である。乾燥状態では分生子の形成は少ないが、鱗片をはがすとその内側に分生子が豊富に形成されているので、これを目安とする。





 病原菌は、緑かび病がペニシリウム コリムビフェルム(Penicillium corymbiferum)、青かび病がペニシリウム シクロピウム(Penicillium cyclopium)であり、両病害とも球根伝染し、主に傷口から感染する。発病は盛夏を過ぎたころから認められることから、収穫時に感染したものはその間潜伏状態にある。傷のほかに、他の貯蔵病害の病斑や、日焼けなどの障害部からも侵入する。また、鱗片頂部、外側球(オフセット)、根盤部などの消耗の激しい部位や軟弱で傷がつきやすい部位から発病することも多い。多湿条件で発病は助長される。また、裂皮して傷がついた球根、貯蔵条件が悪くて消耗が激しい球根などで発生が多いようである。





 傷が主な侵入門戸であることから、球根の収穫・調整作業時には傷をつけぬよう留意し、通風のよい冷暗所にて貯蔵する。種球根は健全なものを厳選し、植え付けの際は植床に無理に押し込んで根盤部を傷めることがないよう注意する。裂皮した球根は、傷や日焼け、消耗を受けやすく、本病の発生を誘発することから、裂皮しないように肥培管理や潅排水に留意する。


薬剤防除:登録防除薬剤について

データ作成年月日:2007/09/30

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写真1(TM)