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2009.06.18
“耐暑性バツグン!病気に強く、根が曲がりにくい”夏秋どりダイコン品種『夏の翼』を新発売
タキイ種苗は、2009年の新品種として、暑さと病気に強い、夏秋どりダイコン『夏の翼(なつのつばさ)』を発売します。

スーパーや八百屋などで通年販売されているダイコンは、もともとは秋冬野菜であり、冷涼な気候を好む野菜です。春から夏にかけては、標高の高いエリアや北海道・東北地方のような冷涼地域で多く栽培され、全国各地に出荷されています。しかし近年の温暖化の影響を受け、冷涼地域でも夏は高温となることが多く、ダイコンの生育が旺盛になりすぎて、ダイコンが曲がったり、不安定な気象条件により生理障害や病気が多発するなど年々栽培が難しくなっています。特に夏ダイコンの重要病害である軟腐病※1や内部褐変症※2などの生理障害の多発が深刻化し、高温下における栽培に適した強いダイコン品種が産地より強く要望されていました。また、最近は消費形態も変化しつつあり、生産量のうち青果用となるのは4割強ほどで、残りの6割弱は刺身のツマや漬物、コンビニのおでんなどの業務・加工用に多く利用されています。これらの用途では「煮崩れしにくい、硬くて緻密な肉質」が求められています。

今回新発売する夏秋どりダイコン『夏の翼』は、耐暑性に優れており、高温下の栽培時に多発する軟腐病に強く、内部褐変症や裂根などの生理障害の発生が少ない品種です。冷涼地での夏どりや、中間地の秋どりなど、高温時期の栽培において品種特性を発揮します。
『夏の翼』はゆっくりと太りながら生育するため、根が曲がりにくく、ス入り※3などの劣化が遅いため、生産者にとって作りやすくかつ安定した栽培が可能な品種です。また、食感のやわらかい品種が多い夏秋どりダイコンの中で、『夏の翼』は肉質が緻密で硬めの食感が特長で、サラダや刺身のツマに適したダイコンです。また、煮崩れしづらく煮物や漬物など加工品にも適しています。

タキイ種苗では、安定した栽培性と品質の向上を目指し、お客様に安心と安全をお届けするため、ニーズに対応したダイコンの品種育成をこれからも進めてまいります。
耐暑性バツグン!病気にも強い 根が曲がりにくい夏秋どりダイコン『夏の翼』
『夏の翼』の主な特長
耐暑性に優れているため、軟腐病に強く、内部褐変症や裂根などの生理障害の発生が少ない品種です。
特に、ダイコン栽培の厳しい高温期に栽培しやすい性質を持ちます。
ゆっくりと太るため、根が曲がりにくく、秀品出荷率が向上します。
尻づまりの良い総太り型によく揃い、青首が鮮明で、肌のテリ・ツヤがよく、外観の形質に優れています。
緻密で硬めの肉質を持ち、サラダや刺身のツマに最適です。また、生食や煮物のほか、漬物などの加工品に至るまで、幅広い用途に利用が可能です。
<作型表>


<価格>
品種名 量目 希望小売価格(税込み)
夏の翼 小袋(約260粒) 577円
2dl缶 10,500円


<注釈説明>
※1 軟腐病…夏のダイコン作物における重要病害で細菌病。首元からの発生が多く、病気にかかった部分は、ドロドロに軟化し強い悪臭を出す。土から伝染し、気温(25度以上)が高いほど、激しく発生する。
※2 内部褐変症…ダイコンの内部異常で、褐変などの症状が発生する。高温による「黒芯症」、要素欠乏による「赤芯症」などがある。数多く異常が見られ、原因には温度や水分状態、養分の過不足、生理的な原因が指摘されるが不明なものも多い。
※3 ス入り…ダイコンやカブなどの根の中に起きる異常の一種で、内部の細胞が劣化し、スポンジ状の空洞ができること。収穫が遅れた場合や、何らかの障害で肥大が止まった場合に起こりやすい。