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2009.09.25
低温肥大性に優れ、形状のよい厳寒期どり大玉のレタス品種
『フルバック』を新発売
タキイ種苗は、2009年の新品種として、 厳寒期どりで形状のよい大玉のレタス品種『フルバック』を生産者向けに新発売します。

レタスはもともと冷涼な気候下での栽培に適していますが、年間を通して全国各地の産地で生産・出荷され、サラダなどの重要な食材になっています。冬どりレタスは、生育に必要な温度を確保するために被覆資材※1を利用した栽培で、他の時期に比べると生産コストがかかります。中でも2月〜3月中旬に収穫される厳寒期どりは玉の肥大不足に悩む生産者が多く、気候変動の影響も受けやすいため、安定的な収穫が難しいとされてきました。一方、近年では加工や業務向けの出荷比率が高くなり、厳寒期どりにおいても安定的に大玉の供給を望む声が高まってきていることから、厳寒期どり品種は、玉の肥大を重視した品種育成が行われてきました。しかし、肥大性を重視した品種改良により、生育バランスが崩れやすくて形状の乱れを伴う品種が多く、安定生産が難しい原因の一つとして課題となっていました。

今回新発売する『フルバック』は、低温期の玉肥大が特に優れ、従来の厳寒期どり品種に比べて変形球の発生が少なく、形状の安定性が高いのが特長です。厳寒期どり作型で大玉になり、高い秀品率での出荷をねらう栽培に適しています。また、低温期の結球性※2にも優れているので、生育のバランスもよく、不結球株の発生が少ない品種です。結球葉は肉厚で歯切れがよく、食味に優れています。さらに、被覆栽培環境で発生しやすい菌核病(きんかくびょう)※3や灰色かび病※4などの病害にも強いので、効率よく安定的な収穫が可能になります。

タキイ種苗では、年々レタスのシェアを伸ばしており、周年の作型において安定した栽培性と収量性や品質の向上を目指し、生産者や消費者のニーズに対応したレタスの品種育成を進めています。
肥大と形状安定性が抜群の厳寒期どり品種 『フルバック』
◆『フルバック』の主な特長
草勢は極めて旺盛で、低温期の玉肥大は特に優れる
変形球の発生が少なく形状の安定性が高い
厳寒期どり作型の大玉で、高い秀品率での出荷をねらう栽培に適している
低温期の結球性に優れ、生育のバランスがよい
結球葉のかぶりは深く、球尻のまとまりがよい濃緑豊円球で、ボリューム感に優れる
結球葉は肉厚で歯切れがよく、食味に優れている
菌核病や灰色かび病などの病害に強い
<作型表>
作型表


<価格>
品種名 包装単位 希望小売価格(税込み)
フルバック ペレット種子 5000粒 7,035円


<注釈説明>
※1 被覆資材…保温・保湿・防虫などのために土や作物を覆う資材のこと。凍害などから作物を守り、生育のコントロールをするなどの効果がある。
※2 結球性…キャベツやハクサイ、レタスなどは、植物の葉が重なって球をつくることを結球といい、このような性質を結球性という。
※3 菌核病(きんかくびょう)…多くの野菜、草花に発生する糸状菌(かび)が原因となる病気で、茎の地ぎわや葉柄などを侵して腐らせる。この部分に白い菌糸があらわれ、さらに黒色の菌核をつくる。低温、多湿の時におこりやすい。
※4 灰色かび病…高温多湿のときに発生しやすい。茎葉や花や果実に灰色のかびを生じて生育を害し、ときに大被害となる。糸状菌(かび)のボトリチスが、病原菌である。ボトリチス病ともいう。